花畑の真ん中で
「このままじゃ駄目だわ!」
今フレンズの間で人気を博するペンギンアイドル「PPP」。そのメンバーの一人でありきっかけともなったプリンセスペンギン、プリンセスがダンスの練習の休憩時間、机をばんと叩いてメンバーに叫んだ。
「なんだよ!ダンスも歌もいい感じになってきてるだろ?」
椅子を斜めに立てながら男勝りな口調で抗議したイワトビペンギンのイワビー。「まだなにか私達に足りないもの...なんでしょうか?」頭に疑問が浮かんだジェンツーペンギンのジェーンは、結局答えは浮かばず首を傾げるのみだった。「もしかしてー、じゃぱりまんー?」練習が終わってからすぐさまじゃぱりまんを食べ始めたフンボルトペンギンのフルルは口一杯に頬張りながらゆったりと喋る。「いや...じゃぱりまんではないんじゃないか?」真剣に腕を組んでコウテイペンギンのコウテイは食事を再開するフルルへ冷静にツッコミをした。
「いい?アイドルは常に可愛く、美しく、そして新しくないといけないと思うの」
「と、言うと...」
「私達には新鮮味が足りなくなっているってことか?」
イワビーの質問にプリンセスは大きく頷くことで返答。
「そうよ!確かに大空ドリーマー等の曲はとても人気よ。でも、いつまでも同じことを続けてはお客さんは飽きてしまうわ。だから、私達で新しいことを始めるのよ!」
「とはいってもなぁ...」
メンバーはううんと唸って、頭上に電球が光ることはなかった。そんなとき、照明器材を抱えたマーゲイが入ってくるのが見えた。
「マーゲイ、丁度よかったわ!PPPに新しいことを取り入れたいのだけれど、いい案はないかしら?」
「うーん、そうですね......PPPの皆さんはどんなことをしても可愛いと思います!」
再びメンバーに苦悩の時間がやってくる。そんな様子をみかねたマーゲイはこう言った。
「あぁ!そういえばみずべちほーの近くに小さな花畑が出来たらしいですよ。気分転換に行ってみてはどうでしょうか?」
□
「綺麗ですね...」
「ほんとだー」
「いや、まずじゃぱりまん食べるのをやめろよ!」
見渡す限りの赤、黄、青、白...色も形も違う花々なのにその光景は息を飲むほど綺麗で。
「私達のステージが見えるな」
「ええ、ここからも見えるのね...」
色とりどりのカーペット、降り注ぐ太陽のスポットライト、風の音は大きな観客の歓声に聞こえる。いつの間にか遠くにいたフルル、イワビー、ジェーンが花で冠を作っては頭に着けて遊んでいる。
「...そうだわ!なんで気づかなかったのかしら、これよ!」
プリンセスはさっそくメンバーを呼んで、行動に移した。
そして、次のライブ......
「さぁ皆、行くわよ!!」
「よし!」「はい!」「はーい」「ああ!」
様々な花に飾られた私達は花びらの舞うステージへと進む。
□■□■□
今回はPPPのお話。もうすぐ花も咲き始める時期なので書きました。メンバーに合った花をつけていたらとても可愛いと思います。
そして、マーゲイはきっとプリンセスに「照明はいいわ、その代わり...」と花びらをステージに舞わせることをしてると想像したいです。
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