◆ミドル8◆ 対岸の男

GM(エントゲーゲン):「目が良いんだな、お前のご主人様は」スナイパーライフルを構えたうつ伏せの男が、背後に現れたあなたに視線を向けます。

時吉:「そうだな。で、あんたは何やってんだ」

GM:「容疑者の確保。その準備だ」

時吉:「そうか」カツンカツンと一歩ずつ近づくよ。

GM:「おっと、何をするつもりだ」

時吉:「疑問点がいくつかあるんだ。どうしてここにネフィリムが頻出するのか。そしてなぜ今まで通報されなかったのか……お前がやったのか?」

GM:「答える義務はないな」

時吉:「その銃は何だ。なぜ銃を向ける。それは人殺しの武器だろうが!」

GM:「銃に撃たれた程度じゃオーダーは死なん」

時吉:「あそこにオーダーなんか居るのか」

GM:「とぼけやがって。犬のくせして鼻でも鈍ったか」

時吉:「首輪をつけられりゃあ確かに犬だが、外にいるやつは人間だ。あの子はまだ人間だよ」

GM:「白い血を流す人間がどこにいる」

時吉:「あの子は人間だ」

GM:「オーダーは化け物だ人間じゃない

シシリー:ここで通信を入れます。「能力の対人使用を許可します」と一言伝えてすぐに切ります。

時吉:このタイミングでか!?

GM:ちなみにそれバレるとやばいですよ。

シシリー:大丈夫。わかってる。

時吉:これは、どういうことかわからんな。ご主人様の命令に従うか……いやあ、悩むなあ……。

GM:エントゲーゲンはエキスパートです。ランクは低いですが、普通の人間よりは強いです。もちろんガチでやり合ったら時吉さんが勝ちます。

時吉:……一報がなけりゃなあ……許可されちまったからなあ……!

GM:シシリーさんほどではないにしても、エキスパートなので命中率もそれなりに高いですよ。引き金を引くくらいは容易いですね。

時吉:……………………。

シシリー:悩んでいる。深く悩んでいる。

時吉:……………………(約3分の沈黙)

GM:……仕方がないですね。では、スコープを覗き、眼下でネフィリムと交戦している対象に照準を合わせ直します。

時吉:「…………やめろ」能力を使えばご主人様あいつに迷惑がかかるだろう。能力を使えば「ほら見ろ化け物じゃねえか」と罵られるだろう。だが、無抵抗な人間を撃たせるわけにはいかんわな。

GM:引き金に指を掛けます。

時吉:「撃つな!」

GM:では。対決判定をしましょうか、時吉さん。

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