イワトオさんの「咲見とサカシ」

時間かかってしまってすみません。


イワトオさんの「咲見とサカシ」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884023552

元プロレスラーの男とその養い子のお話。


設定、というより書き方?が独特でよいと思います。私(プロレスや男性と少年の関係みたいな小説にあまり興味がない)がアンテナを張ってないだけであるところにはこういう話がたくさんあるのかもしれませんが、ネット小説でこういう感じのものはあまり見ない気がします。

「当初、強烈に漂っていた独特の腐臭も、一ヶ月を待たずに汗のにおいで塗りつぶされた。」

という文がさりげなく面白いなと思いました。「汗のにおい」というもののとらえ方がこの話の世界観を作っているようで。


咲見の人生や二人の関係や生活もわかりやすく書けていると思います。ただ咲見に比べてサカシのキャラクターが弱いというか、咲見との関係の中でしか語られていないように感じるので、もう少し個人としての彼を書いてみたほうが二人の関係がより際立つように思います。もともと全然親和性のない二人だったというのをもう少し描写したほうが話としてわかりやすいように思います。

あと咲見の父親についてのエピソードはその重要さの割には唐突に感じたので、もう少し最初のほうに何か匂わせておいたほうがいいのではないかな、と思いました。

読者の感情をかきたてるドラマがありそうな雰囲気はあるのですが、全体的にさらっと流れてしまっている気がするので、読者に何を感じてほしいのか洗いなおしてそこを強調したほうがいいのかな、という気がします。


あと冒頭が「真っ白い砂浜の海辺で、男が海を見ていた。」なのですが、「海」が被っているので私だったら「海辺」は削るかなと思います。そこまで文章に拘るタイプではないのですが、最初の一文はすっと読めるものがいい。


あと申し訳ないのですが私はそのあたりのことには全然素養がないので、トレーニングの場面についての評価はできません……。すみません……。

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