黄間友香さんの「ファミリーレストラン」

黄間友香さんの「ファミリーレストラン」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054885492454

ファミリーレストランで妻と夫が話をするお話。


ネタバレ全開でいきます。

死んだ妻と夫がデートするお話。柔らかい雰囲気で嫌なところもなく短くまとまっているので、こういうものが読みたい人にはとてもよさそう。個人的には店員さんのキャラクターが思いがけないよさ、という感じで好ましかったです。あと妻が座っていたところに娘が座るのも終わり方として綺麗。


実はこういう設定のお話は私も書いたことがあるので(一応カクヨムにあります)わりとすぐに「あ、こういう話か」と思ってしまったのですが、そもそもどの段階で読者に種を明かしてもいいと思っているのかがいまいち不明瞭かな、と思いました。

気づく人はほとんど冒頭で気づきそうですが、そのあとも何か隠しているかのような書きぶりなので、読者としてはどういう態度で読み進めるべきかちょっとためらいます。例えば主人公が食べられないパフェを注文して妻が文句をいうところから始めて不仲なのか?と印象付けたほうがのちの意外性(私はなんでも意外性を出そうとする病気なので)があるかもしれませんし、最初からこの雰囲気でいきたいなら妻が亡くなっていることはあらかじめ明かしてしまっていたほうがじっくりキャラクターを書けるかもしれません。


何か読み落としているかもしれませんが、そもそもなぜ舞台がファミリーレストランなのかがちょっとわかりませんでした。妻のやり方も死者としてはちょっと具体性が強いかな、と。ファミリーレストランで結婚する娘を待っていたら妻が前の席に座った…とかのほうが死者っぽくないですか?(そうか?)

あとファミリーレストランにソルベはともかくオペラってないような気がします。


最後に突然めちゃくちゃどうでもいいことを言いますが、三月二十日、私の誕生日なのでちょっと運命感じて嬉しかったです(本当にどうでもいい

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