第8話
「スゥーハァー(よし)…あのねお兄ちゃん…私が"いい"って言うまで私に背を向けていてね…お願いだから…」
真剣な顔して言った
史也は黙って頷き真妃に背を向けた
真妃は話し出した
「わたっ…私ね…お兄ちゃんが好きだよ…家族としてとても好きだよ…けど敦巳君の事は好きだった…初恋だったの…ずっと側に居たいと思ってた近くに居たいと、おっきくなったら恋人になれるかな? とか夢見てた…でも夢で終わった…だって…私と敦巳君は実の姉弟だと知らせれたから…最初は戸惑った。もっと早く姉弟だとわかってたらお兄ちゃんに素っ気ない態度とったりしなかったかもしれない…」
「えっ…それって…」
思わず振り返りそうになる史也
「ダメ!! まだこっち向かないで聞いて…お願いだから…」
下向きかげんで叫んだ真妃
「わっ…わかった」
今まで見せたことない態度をとる真妃に少しビビル史也
「…それから数週間ずっと悩んだりしてたある日…ため込んでた感情が抑えきれなくなり…感情が溢れ出し大泣きした…」
淡々と話す真妃
史也はただ何も言わず黙って聞いていた
「ある日は…お兄ちゃんが家庭教のある日なのに忘れてた慌てて出かけた日…私はいつも通りにしようと思いクッキー作って待ってたの…でもお兄ちゃんは帰ってきたかと思ったら慌てて直ぐまた出かけて行ったから…やり場のない感情が生まれただただ呆然とその場に立ち尽くしてたの…しばらくしてあっくんに話しかけられ我に返り気がつけば涙が出てきてた…」
「えっ…敦巳はその日そんな事一言も言わなかったぞ…」
何故言ってくれなかったんだ と少しイラつくが今は真妃の話しを聞いてやるのが先だと思いイラだちを抑えた
「それはきっと言うと取り乱すのが目に見えてるから言わなかったんだと思う あっくんなりの優しさだと思う…」
「あぁそうかもしれないな…それで泣いてスッキリできたのか?」
「うん…あっくんにすがりつくように泣きじゃくり…困らせてしまったの でもあっくんは私を落ち着かせてくれて部屋まで連れて行ってくれたの…」
真妃は泣きそうなのを必死で抑えながら話している
「それでその日は泣き疲れて眠っちゃったの…それから次の日にまたお兄ちゃんは慌てて出かけたでしょうその後気まずい空気になりながらも話したの…ケジメ付けるために」
回想(数日前)
「あっくん…あの…昨日は泣いたりして困らせてしまってごめんなさい…」
「たまにはいいさ けど何で急に泣いた?」
一瞬沈黙になる
「まあ言いたくないならいいげ…あんまりため込むなよ? 何か悩み事あるなら話しぐらいは聞くよ」
優しい表情で言う敦巳
「あ…あのね…あっくん…わたっ…私ね…あっくんがすっ…すっ…好きだったの…」
うまく言葉に出せない真妃
敦巳は唐突過ぎて固まってます
「…弟じゃなくて…従弟のままならよかったな…恋人になれるから…実の姉弟だとなれないものね…」
下を向いたまま話す真妃
「まっ…まままっ…真妃?」
パニクル敦巳
「あはは…驚いちゃうよね? やっぱりというかへんだよね?」
無理やり笑顔を作る真妃
「いや…変って言うか…かなり驚いたよ…俺は真妃に"可愛い弟"的にしか見られてないんだとばかり思ってた…常に見る度に史也兄にベッタリだったから…俺はてっきり史也兄に恋してるのかと思ってた…」
(敦巳は本当に小学生なのだろうか…疑問だな)
「それはないよ…お兄ちゃんは 兄 として好きなんだよ…」
そんな風に周りからは見えるんだ…溜め息がでる真妃
「俺…(ボソ)真妃が好きだった…」
ボソっと呟いた敦巳
真妃は聞き逃さなかった
「あっくん…今の本当?」
敦巳の目を見ながら聞いた
敦巳は黙って頷き…
「…本当…従姉のままならよかったのにな?」
優しく微笑みながら真妃の頭ポンポンっとした
真妃は嬉しくてでも儚くて少し苦しくなった
「真妃…」
グイ
敦巳は真妃を軽く引き寄せ
"少しだけ(恋人の)真似事する?"
と耳元で呟いた
真妃は聞いた瞬間赤面し敦巳から離れた
敦巳は真妃を見てクスクス笑ってた
「なっなんで笑ってるのよ…」
「だってからかいがいがあるもん真妃姉」
「にゃ…あっくんのバ~カ!!」
からかわれ恥ずかしくなり敦巳をバシバシ叩く真妃
「イテ…痛いって…悪かったよ…だから叩くのやめてくれ」
表情は笑顔だった
「プゥ~あっくんのバカ…うぅ~」
叩くのやめクッションをつかみウルウルな瞳で軽く上目使いで敦巳を見る真妃
「うっ[可愛い]反則だよ…真妃姉」
「うぅ~…アレ? あっくん私の事"真妃姉"ってそっかそうだよね…」
しんみりする真妃
「あいや…だって…」
また気まずい空気になった
回想終
「そんなこと(会話)があったのか…俺が居ないときに…」
まあ居たらそんな会話できないわなって思う
「うん…おかげで弟して好きだと思えるようになって気持ちの整理もついたから…ちゃんとお兄ちゃんと向き合わなきゃ思えたの…」
ガバッ
「素っ気ない態度とったりしてごめんなさい…ちゃんと話し聞いてくれてありがとう…お兄ちゃん…」
真妃は史也に後ろから抱き付き声を殺して泣いていた
史也は泣き止むまで黙って背中をかしていた
それからしばらくして真妃は泣き止み仲良く二人で帰宅した
真妃は初恋にけりがつき后に対しての恋を突っ走ろうとしていた
第1章が終わりました。
第二章からは沢山キャラが出てきますきっと賑やかなことでしょう
第二章にいく前に
史也の作る小テストの結果次第で真妃の事を后に教えると言う話しの結果は后の惨敗でした
史也は引っ掛け問題ばかりだし后はほとんどの問題に引っかかり散々な結果だったようです
史也の意地悪さは相当なようですね
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます