第6話
学校も終わり珍しく早めに帰った真妃は趣味でもあるお菓子作りその後風呂に入った
「フゥ~サッパリした」
ルンルン気分でリビングでくつろいでいた時に
「あ。真妃ここ(リビング)にいたんだ 部屋にもいないから心配したよ」
真妃を見るなりホッとする敦巳
「ごめん…お風呂入ってたんだ」
「そうだったんだ そういや最近やたら史也兄が変なんだけど理由知らない? あのままだといろんな意味で危ないと思う」
失敗はするしポケポケしていて普段 基本的に完璧な史也なので 今のままだと怪我したり事故ったりしそうで怖いらしい敦巳
「えっ…ごめんね…多分私が素っ気なくしちゃうからだと思うの…もう少し待ってくれたら いつものお兄ちゃんに戻るから…多分」
申し訳なさそうに言う真妃
「やっぱり真妃が原因か…わかったよもうしばらく様子見ってことだな」
少し柔らかく微笑む敦巳
「ごめんね…今日疲れちゃったからもう寝るね おやすみ」
そう言って部屋に戻って行った
真妃が部屋に戻って行った後にちょうどよく史也が帰ってきてリビングに入ってきたが真妃はもう寝たと聞いてテンションがかなり下がる史也だった
それから数週間が過ぎて気づけば十月だった
十月といえば史也の誕生月(10月2日)とはいえ実は過ぎていたりします(史也の誕生日の話はいずれまたってことで)
十月のとある日の平日の夕方こと
この日も珍しく真妃は早く帰りまたお菓子作りしていた真妃
ちょうど出来上がった時に敦巳が帰宅したので
「あ。あっくんちょっといいかな?」
いつになく真剣な真妃
「何だ? えらく真剣な顔して」
「うんとね…(モジモジ)コレ…食べてみて欲しいの」
そう言って可愛いらしい包みを差し出す真妃
「何コレ?」
内心ドキドキの敦巳
「あけみて…とりあえず」
「? わかった」
首を傾げつつ言われた通りに開けてみる敦巳
でその中身とは…
「おぉ。クッキーだ美味そう」
目をキラキラさせながら一口食べた敦巳
感想は…
「美味い…さすが真妃だな」
幸せそうな顔をする敦巳
「本当に? よかった…」
ホッとしつつ照れてる真妃
っとそこに
ガチャ
「ただいま…」
かなりテンションの低い史也が帰ってきた
「あ。史也兄だ。お帰り…かなりテンション低いな…さてはまた告白されたのか? 相変わらずモテモテだな」
何か企んでいるかのようにニマニマしながら言う敦巳
「はぁ…今日も真妃は出迎えてくれないのだろうか…興味のない女の子に告白されるし…(ブツブツ)」
真妃に構ってもらえない上にしつこい女の子に捕まってしまいタジタジみたい
「あ。お帰りお兄ちゃん 何、また女の子ふったの? 可哀想…相手の子」
とりあえず頑張って普段通りにしようとする真妃
「えっ…真妃…出迎えてくれたんだ…」
テンションの下がってた史也だが真妃の声を聞いたとたんやや泣き顔になる
「お兄ちゃん…携帯鳴ってるよ?」
「えっ? あ。本当だ…」
チャラララ チャチャチャラララ チャ…ピッ
「ハイ モシモシ…あ…ワリィ 今から行く」
ピッ
ガチャ バタン
真妃や敦巳に何の説明もなしにどこかに行った
慌てて出かけて行った史也
「ヤバいな…今日は家庭教だったのに忘れてた…急がな…」
そう言いながらダッシュで向かう
「ハァッハァッ…ついた…」
ピンポン
チャイムを鳴らした
{ハ~イ どちら様?}
女の人が出た
「あの…小山です…」
申し訳なさそうに言う史也
{あ。史也君…ちょっと待ってね今、開けるから}
どうやら史也が教えてる子の母親らしい
ガチャ
「史也君、今日は遅いのね …まあいいわ
早く上がって息子の勉強みてやって、何かやたら張り切ってるのよ」
ちょっぴりピリピリしている母親
「はっはい…お邪魔します…」
アワアワする史也
「あ。史也さんやっと来た」
部屋からひょっこり顔出しちょっと呆れ顔で史也に言う男の子
「ワリィ…さぁ早速始めるぞ 后(ゴウ)」
后(ゴウ)とは史也が勉強教えてる真妃と同い年の男の子
「おぅ。どんとこい」
真面目モードに切り替え始めた
さてその頃真妃と敦巳は…
「真妃? どうした?」
敦巳は着替えを済ませリビングに行こうとしたら真妃がまだ玄関で突っ立っていたので話しかけた
「ほぇ…う、うん… お兄ちゃん何をあんなに慌ててたのかな?」
ボーッとしながら言う真妃
「あぁそれは家庭教の日なの忘れてたんだよ たまに悩み過ぎると忘れっぽくなるからな史也兄」
特に真妃の事で悩むとダメダメになるからな と思いつつ口にはしない敦巳
「そうなんだ」
またボーッとしながら言う真妃
「さっきからどうした? ボーッとして?」
真妃の顔を覗きこむように言った
「…あっくん うぅっ…うわぁ~ん」
突然泣き出した真妃
「えっ…えっ… 真妃? どうした?」
アタフタする敦巳
ガバッ
「うわぁ~ん あっくん…」
敦巳に抱き付きつく真妃
「ちょっ…おい…何で泣いてるんだよ…」
いつもの真妃と違うのでパニックになる敦巳
ただただ泣きじゃくる真妃
「うぅ~(こっちまで泣きたくなってきたよ…)……真妃? とりあえず部屋行こうな? ココ(玄関)に居ても何だし…」
とりあえず真妃をなだめ部屋に連れて行った
部屋に入り真妃をベットに座らせた
「真妃? 大丈夫か?」
「うん…ごめんね…あっくん 少し落ち着いたかりゃ…」
落ち着きを取り戻したと思ったら泣き疲れて眠ってしまった
「はぁ…なんだったんだよ…(ガクッ)
クス たまにはいいか…お休み真妃姉」
真妃の事を滅多に姉ちゃんと言わない敦巳が珍しく言った
真妃をちゃんと寝かせ頭をポンポンとして部屋を出ようとした敦巳
ガクッン
「えっ…何だ? …ったく…しかし可愛い寝顔だな」
真妃が敦巳の服の裾を握っていたらしく引っ張られたようだ
敦巳が真妃の寝顔にみとれていると…
「…むにゃむにゃ…あっきゅん…従弟のままにゃら…よかった…むにゃむにゃ…」
「!!…真妃…それってどういう…まあ寝言だから気にしなくて…いいか」
と言いつつ気になってる敦巳
気がつけば真妃は敦巳の服の裾をはなしていた
「本当に…従姉のままならよかったのにな……初恋は実らないものだな…」
シリアスに言いその後優しく微笑み真妃の部屋を出た敦
「敦巳? 真妃どうかしたのか?」
「(ビクっ)ふっ…史也兄…お帰り…真妃ちょっと悩み過ぎて疲れてたみたいだから部屋まで連れて来たんだ」
あえて泣いたことは言わない敦巳 言えば史也が取り乱すのが目に見えているから
「ただいま。そうか」
内心、オロオロして気が気でない史也
「うん…あ。そうだコレ(クッキー)真妃が史也兄用に用意してた」
ラッピングされた包みを渡す敦巳
「えっ…真妃が作ったのか?」
気が気でないが少しホッとしている史也
「うん。クッキー凄く美味かったよ 俺もう寝るからおやすみ史也兄」
そそくさと部屋に戻る敦巳
「あぁ おやすみ」
何焦ってんだろ と思う史也
こうして夜はふけていき翌日もまた慌ただしく出かけて行った史也
史也が出かけて行った後真妃と敦巳の間には気まずい空気が流れていた
気まずい空気が流れながらもしばらく話していた
話しも終わりかけのころに真妃の携帯が鳴った
チャララ ラララ…ピッ
「ハイ。 どうしたの? えっ? あっうん本当に? ありがとうね美子」
ピッ
電話を切った後ルンルン気分になっていた
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