第5話

次の日



「あ。今日、日直だったんだ。だから先に行くね 行ってきまーす あっくん、兄ちゃん」


今日も昨夜に続き史也にたいしては素っ気なかった。敦巳にたいしてはいつもどうりだ



敦「あぁ」


史「おぅ…[やっぱり何か素っ気ないや…敦巳には普通なのに…気のせいなのか?]」悩む史也



「…兄…みや兄…史也兄ってば…」


ボーっとしている史也に話しかける敦巳



「なっ…何だ?」


動揺する史也



「"何だ?"じゃないよ はぁ… 早くしないと遅刻する…だから置いてく」



呆れる敦巳 スタスタ早歩きしだした



「あ。やべっ…ってちょっと待ってくれよ…」


慌てて弟を追いかける史也



「嫌だ…遅刻するから」


そう言ってスピードをあげる敦巳



「つれないやつ」


ブツブツ言いながら慌ただしく学校に向かった

その頃真妃は日直の仕事をしながら悩んでいた(多分)



[最近、お兄ちゃんなんかよりも好き人ができちゃった…(かも)でも、名前とか何も知らないのよね…わかってるのは、背が高くて ハッキリと顔を見たわけでもないんだけど…ちょっとお兄ちゃんに似てて超~カッコイイはずなの キャ~](心の声)


暴走気味の真妃

クラスメートやら他の生徒達は真妃を見ながら 何なのあの子 って目で見ています



「うーんそろそろ兄離れの時期かな?」



考え込む真妃



「どっ…どうしちゃったの? 真妃…大丈夫? 熱でもある?」


真妃の口から"兄離れ"なんて言葉がでたもんだから驚いてます

学校内でも有名なくらいのブラコン(史也も同様)


「ほぇ? 何が? あ。美子 おはよう」


首を傾げつつ普通に何事もなかったように挨拶する真妃



「… おっ…おはよう… というかどうしちゃったの? 朝からやたらハイテンションだし周りが引くくらい…それに何かあったの? あんた(真妃)の口から"兄離れ"なんて言葉がでてくるし…」


ハイ過ぎて少しついてけない美子



「へぇ…何で? …にゃ~…私、声にだしてたの…恥ずかしい…しかも周りの視線が痛い」



恥ずかしくなり我にかえりようやく周りが引いていたことに気づいた真妃



「はぁ…で、結局何があったの?」


呆れる美子



「実は…」



兄よりも好きな人ができたことを隠さず正直に話す真妃



「えっ…」





















[えーーーーーーーーーーーーーーー!!]



驚き過ぎて声がでなくなる美子


「ちょっと…美子、驚き過ぎだよ…そんなに驚く内容なの?」


キョトンとする真妃



「うんかなりだって常に…"お兄ちゃんが"じゃない そんな真妃が史也さん以外に興味しめす上に一目惚れなんて…今までのあんた(真妃)では考えられないんだもん」


うん うん って頷き一人で何か納得している美子



「何か酷いよその言い方…まぁ確かに常に"お兄ちゃん"、"お兄ちゃん"だしな…やっぱり変な感じに思えるの?」


ちょっとへこむ真妃



「いや…変て言うか…ちょっと珍しい物をみる感じかな…そうか…真妃も初恋か…」

年寄りみたいにしみじみ言う美子



「珍しい物って…私は珍獣か何かか? …(ブツブツ)でも一つ言うが私がいつ"初恋"って言ったよ?」


膨れ面になる真妃



「えっ? なら史也さんが初恋相手なの?」


なんてベタな話しだ と思う美子



「いやそれも違うよ お兄ちゃんは"兄"として好きなだけだよ」



ニコっ と笑いながら答える真妃



「えっ…[更に驚き何ですけど(心の声)]じゃ初恋相手って誰なの?」


目が点になる美子



「あはは。もう本当に驚き過ぎだよ美子

えっ? あ…(モジモジ)敦巳君」


恥ずかしそうに言う真妃



驚き過ぎてもう真っ白になる美子


真妃は恥ずかしいあまりポケポケしています


気がつけば放課後



「…とも……二人共…」



独自の世界に浸ってる真妃と魂の抜け殻のような美子を揺さぶる男の子



「にゃ~…ってあれもう放課後だ…ヤバいわ最近授業が疎かになってるよ…うわぁ~……のわぁ!!」


我にかえり目の前に居る男の子見て驚く真妃



「(ビクっ)あっあのえともう下校時刻過ぎてるのボーっとしてたから…そろそろ帰らないと門閉まるから…」


おどおどしなが話す男の子



「あ…ありがとうございます。えっと…誰かな…?」


恥ずかしくてうまく視線を合わせないまま話す真妃



「…えと…[もう半年経つのにな…存在感ないのかな俺…]同じクラスの杉上だけど…」

しょんぼりしながら答える杉上



「あ。学年二位の…あはは…はは

えっと本当ありがとうございます。ではまた明日」


クラスメートなのに知らないなんて恥ずかしくなり苦笑いしながら美子を引っ張ってダッシュで帰って行った



そんな真妃を見ながらなんだかやりきれなさそうな表情をするクラスメートの杉上


「はぁ…帰るか」



運悪く杉上は先生に見つかりみっちり怒られたそうな



クラスメートに救われ先生に見つかることなく学校から出ることのできた真妃と美子



「ハァッハァッ…力尽きたかも…って美子?! 大丈夫?」


真妃が美子の腕をつかんだまま思いっ切りダッシュしたためにグッタリしている美子


「うにゃ~…もう真妃怖いでしょ…が…」



「ごめんなさい…飲み物買ってくるからさね?」


とりあえず飲み物を買って許してもらおうとしている真妃



「もうわかった ちょうどよく公園あるし」


運のいいことに休める所もあり休むことにした

真妃は飲み物を買いに行った



「はい。お待たせ」



飲み物を買い美子の居る所に行った



「ありがとう。そういや誰だったのあの男」


「あの男…ああ…下校時間過ぎてるの教えてくれた男の子ね…同じクラスの誰だっけ…名前聞いたのに忘れたや 学年二位の人だった」


結局名前を忘れた真妃 相当影が薄いのか杉上は[どうせ薄いですよ…っていじけてそうだな杉上なら]



「ふ~んそうなんだ頭いいんだ…さて帰ろっか遅いし」


興味ないらしい



「そうだね…怒られちゃうね」



現在18時過ぎ


二人は帰って行った



真妃は帰ってから敦巳や史也に怒られたのは言うまでもないだろ


こうして夜は更けていった



翌日の朝


史也はここ数日真妃に素っ気なくされ様子がおかしく…



「はい…二人共、弁当…」


「ありがとう 兄ちゃん」


「えっ…史也兄…俺、給食あるんだけど…忘れてない?」


「あぁ…そうだったな」


真妃は普通に受け取りスタスタと歩き出している


敦巳は変なんのとか思いながらボーっとしている史也を連れて学校に行った




この日真妃は真面目に授業を受けていた


今は昼休み



「ねぇ、真妃 そういやさこの数日間史也さんの所に行かないね? いつもなら昼休みや放課後は気づいたらもういないってくらいなのに」


疑問に思う美子



「えっ…あぁうん…何となく行きにくくてね」


いつになくしおらしい真妃



「何か悩んでるの? あ。もしかして初恋相手に対しての気持ちが整理つかないとか? もしくは片思いの人が気になるとか?」



真妃は美子に悩みを言い当てられ驚いて思わず… 「美子ってエスパー?」 って真顔で聞いてしまった



美子は呆れ顔で

「何となくわかるのよ…"女の感"ってやつ」 と言った


「でもよくわかったね…図星だ…あ。」


突然ある視点見つめてボソっと


「美子…あの人だ」


「えっ? …あの人って同じクラスの人じゃないそしてそれとなく確かに似てるけど…断然史也さんの方がカッコイイわね」


史也は相当カッコイイらしい



「…同じクラスだったなんて…ビックリだわ

名前はなんていうのかな? わかる美子?」



半年も過ぎてるのに未だまともにクラスメートを覚えていない真妃だった



「えっ…ごめんわからない」


どうやら美子も知らないみたいだ



「そっか…あ。そうだ美子の彼氏ならわかるかも知れないからまた聞いといてくれないかな?」



「それはかまわないけどじゃまたつーくんにきいてみとくね」



「ありがとう。 もう昼休み終わっちゃうね 何か短く感じるよ」



「そうだねって真妃早く準備して行かないと次音楽だから移動だよ」



ヤバい って言いながら慌ただしく準備して音楽室に行った



相変わらず慌ただしい真妃達だった

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