第2話

<史也の夢の中>


「あれ? 真妃だ…誰だ隣に居る奴? 何か話してるみたいだが何も聞こえないな…ここからじゃ遠過ぎる」


史也は遠くに居ても人ごみの中でも直ぐに真妃を見つける事ができる。そして嫉妬深い(なんせシスコンだからな)


『あ。お兄ちゃんだ!!』


史也を見つけるやいなやトテトテと走ってきた


「ちょうど良かった。今からお兄ちゃんの所に行こうと思ってたんだ。彼を紹介したくて…」


照れ笑いしながら話しだした


「えっ…彼? って……」


驚く史也


「うん。紹介するね 彼氏の――」


「彼氏の――です。改めてこれからもよろしくお願いします。史也お兄さん」


史也に改まって挨拶する彼はどうやら知り合いのようだ


「…っめない……認めない……俺は認めないからなっ!!」


キレモードの史也。

名前が聞こえない事よりも見覚えのある感じの相手だから余計にイラついてるのかも……



「ウゥッ お兄ちゃんのバカ!! 何でよ……お兄ちゃんなら許してくれると思ったのに…彼、お兄ちゃんとも仲良いみたいだから……お兄ちゃんなんか大嫌い!!」


涙をいっぱい浮かべて彼と走り去った真妃


「おい!! 待てよ! 真妃――……」


まき――――!!


ガバッ


「ハァッ ハァッ なんだ…ゆっ…夢か…嫌な夢だ……まるで悪夢だ…」



悪夢で目が覚めた史也。何故かその夢は妙にリアルだった………


ドタッ ドタッ ドタッ


ガチャ



「ハァッ ハァッ おっ……お兄ちゃんどうしたの? 大声だして………」



たまたま早く起きたので朝食と弁当を作っていたら二階から史也の叫び声がして慌てて史也の部屋にきた真妃


「ワリィ…真妃……驚かせちまって…何でもないから…大丈夫だ」


とりあえず真妃を安心さそうとする史也



「そうか…良かった。ビックリしたよ…[ホッ]あ。お兄ちゃんお水飲む?」



何故か、水(ペットボトル)を持っていた真妃


「ん? [何故に持ってる?]あぁワリィ サンキュー」


落ち着きを取り戻した史也かなり不思議に思いつつとりあえず水を飲む史也。


(ニコッ)「じゃ 私は朝食の準備が途中だから 支度済んだら降りてきてね」


落ち着きを取り戻した史也をみて安心した真妃は降りていった

しばらくして史也が降りてきた


ガチャ


「今朝は驚かせて悪かったな…真妃 朝食も弁当も作ってもらってさ……」



珍しく弱々しい声で言いながら真妃の頭をポンポンとしながら言った



「気にしないでお兄ちゃん」


ニコッってしなが言う真妃

「今日は早く目が覚めたからだし…それに……たまには 愛妹弁当も良いでしょ?」[キャハ…言っちゃった(心の声)]


照れくさそうに言う真妃(ブラコンだな)



バン ボン (壊れました史也)


真妃が余りにも可愛い過ぎて壊れた史也



そんなこんなで朝食を食べ

いつもより早く家を出た二人



「真妃 」



頭をポンポンとしながら言う史也


「…お兄ちゃん、今日敦巳<アツミ>君の家に行くの?」



敦巳君とは真妃達の従弟である


「あぁよくわかったな」


ちょっと驚きの史也



「だってお兄ちゃん、敦巳君の家に行く時はいつも頭をポンポンってして優しい表情するんだもん」


「そうだっけ? まぁいっか(ニコッ) 20時には帰るからな」


「絶対だよ…(ウルウル)」



兄妹なのに甘ったるい2人だな……

そうこうして学校についた


{(真妃のクラス)}




「おはよう美子<ミコ>さん」


美子さんとは真妃の唯一の親友で美子の兄は真妃の兄(史也)のクラスメイトの明だったりする



「おはようございますわ真妃さん」


決してお嬢様ではないがお嬢様みたいな挨拶をわざとする美子


「はぁ…普通になさい美子」



「あんた(真妃)がそうさしたんでしょが?」


しばらく言い合い中



「……あ。晴野柘久次君だ」


晴野柘久次<ハレノ ツクシ>君とは美子の彼氏である



「えっ? つーくん? ドコドコ?」


つーくん(晴野)にしか目がない美子



「み~こ~」


「つ~くん」


美子と晴野はバカップルなのである



キン~コン~カン~コン~



「あ。チャイムだ。美子 席に戻ろ」



真妃と美子は一番後ろの列で窓際で隣り


「あ。うん じゃまた後でね つ~くん」


美子は晴野にウインクしながら手をふり席に戻った


「ねぇ、美子…一時間目なんだけ?」


「へッ? ……あぁ数学だけど」


不意に聞かれて間の抜けた返事をしてしまった美子


「数学か…嫌いだな…」


数学だと聞いてガックリする真妃 美子は嫌味ですか って思ってる(常にテストで満点だから)


ガラッ パタン


「お前たち、騒いでないで、さっさと席に着け」


担任の先生が教室に入ってきたらたいていは静かになるはずなのに………


「クスクス…先生ってその髪型イケてると思ってんの?」


クラスの男子が担任に向かって指をさしながら ゲラゲラ クスクス 笑ってる


どうやら先生の髪型がヤバいことになってるらしい



「ほら、(鏡)みてみなって」


そう言って先生に鏡を渡す男子生徒



「…(ピキッ)なっ…うぎゃ~髪が…カツラが…」

イラつきつつも鏡を受け取り髪を見て叫び出す担任教師……

………そして……

「じゅっ…授業の準備していろ……」って言いながら教室を出て行く担任教師


担任教師が教室を出て行くのを見届け…皆いっせいに笑い出した


「クスクス、やっぱりズラなのね担任」とか「隙間できてたもんな でも今日のはヤバいよな」 とかクラスの人が言っていた



「クスクス、面白かったね美子」


「そう…だね あはは…」

[新学期(二学期)始まって数日なのにみたくもないものを見てしまった と心の中で思う美子]

面白いと言う真妃に対しかなり引き気味の美子


それから授業が始まり先程の真妃とは打って変わってグッタリしながら授業を受ける真妃なのでした

放課後


「はぁ…今日は(帰り)一人か…」



真妃はいつもなら史也と帰っているのだが今日は史也は予定があるので一人で帰らないとならないのだ



ウダウダ言いながらトボトボ歩いていると…



[えっ…おにい…ちゃん…違うか…]



史也に似てる感じの男の子とすれ違った



[お兄ちゃんになんか似てたけど…身長はお兄ちゃんより低くかった気がする…う~ん]



どかっ


「いたっ」

「…てな ちゃんと前みてえ歩けだ…」


「ひっ…ごめんなさい」


真妃はボーっと史也似の男の子が気になって考えていたら見知らぬ人にぶつかってしまった


[あはは…またやっちゃった…]って思いながらトボトボとまた歩き出した真妃


ようやく家に着いた時にはもう17時を過ぎていた

学校を出たのが16時くらいなので

…学校から家まで1時間もかかっているのだ


史也とか親友の美子と帰る時は15分くらいで帰れるのに一人だとトボトボ歩いて帰るので倍近くかかるのだ(ドジっ子でなおかつマイペースな真妃)

ガチャ



「はぁ…ただいま…」



一人か寂しいな…って思いながら玄関をあけると…………


「あれ? 何で…(お兄ちゃん)今日は敦巳君の家に行ってるはずじゃ…それに他にも誰か来てるみたいだし…うーん…何で…」



不思議に思う真妃

出かけると言っていたはずの史也の靴があるそれに来客もいるらしい


考えてる時にふと声がした



「お帰り 真妃」


「ふぇ?」


考えてる時に言われたのでなんともまのぬけた声を出してしまった真妃



「クスクス、そんな所(玄関)で突っ立てないで早く着替えたら?」


声の主は史也ではなく小学生くらいの男の子だった



その男の子を見るなり真妃は…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る