お兄ちゃん
まきもの
第1話
「おっはよん。お兄ちゃん」
私は、小山 真妃 <コヤマ マキ>。
お兄ちゃんの事が大好きな
十二歳でぇ~す!!
「あぁ」
冷めた返事をするのは兄の史也<フミヤ>です。
お兄ちゃんによくイジメられるけど…それでもお兄ちゃんの事が大好きなの~
「今日のお弁当のメニューは?」
ちょっと気の早い真妃
「ハンバーグだよ」
真妃の頭をポンポンってしながら答えそのあとにポツリと…
「…大食い。」っと言った
「おっ…お兄ちゃんのバカ~!」
(バコっ)
「イッテェ~殴らなくてもいいだろ…ったくって真妃ヤバいぞ急がないと遅刻だそ」
「えへへっ…えっ? 本当だもう七時四十分だ!? ヤバッ」
時計をみるやいなや慌てて学校に向かった。
ダッシュしたおかげで遅刻はせず少し余裕があった
「ハァ~ハァ~ おっ…お兄ちゃん…待ってよ~」
息を切らしながら史也の後を追う真妃
「い・や・だ!!」
とか言っておきながらスピードをゆるめる史也
「お兄ちゃん。だぁ~い好き」
ニコニコしながら史也を見つめる真妃
そして…
(ガバッ)
「おっおい?! コラッ ヤメロ?! って抱きつくな」
真妃に抱きつかれ慌てふためく史也
照れて顔が真っ赤だったりする
「あぁもう離れろってば!?」
ガシッ
「ぷぅ~もう少しいいじゃない」
すねてむくれる真妃
「せっかくダッシュできて遅刻をまぬがれたのに…結局遅刻することになるんだぞ? 分かってるのか? バカ!?」
ティって言いながら真妃を軽くシバク史也
「イタイ~分かってるもん グスン」
ションボリしながら教室に向かう真妃。その後ろ姿を見ながら…
「まったく世話のやける妹だ」
ため息混じりの言葉とは裏腹に可愛くて仕方のないご様子の史也なのです。
さて、いかに真妃が兄の史也を好きなのがわかったことでしょう。
真妃が兄を大好きな理由は…
両親がすでに他界していて居ないからです。真妃には余り両親の記憶はなく、常に可愛がってくれていたのが二つ上の兄 史也だったからです。だから真妃は史也にべったりで、史也もまた 真妃が可愛くてしかなく溺愛しているのです。
史也は頭がとてもよく大学にいけるほどだったりする
慌ただしい登校の時間も過ぎ午前中の授業が終わり今はお昼休み
真妃はいつもの様(お昼休みと放課後)に兄のクラスに行き、ドアからひょっこり顔出し兄を探し
「お兄ちゃ~ん 一緒にお弁当食べよう」
「…いい加減ツレと弁当食えよな!?」
いつもの事ながらも恥ずかしさの余り顔を隠す史也。本当は嬉しいはずなのに照れくさくて突き離してしまうのです
「だって~ついでに勉強教えてもらいたいもん」
ちょっとムクレ気味の真妃。それでもちゃっかり弁当は広げる
「勉強やってツレに聞けよ」
「だってぇ~私より(勉強)できる子いないんだもの…うぅ~」
真妃は学年、クラスともに毎回トップなのである(努力によるもの)ほぼ全教科満点だったりするそのため勉強に関しては無意味に近い
「なら先生に聞けよな…」
「うぅ~えぇ~ん お兄ちゃんでなきゃ…やだぁやだぁ」(だって天才なんだもん)
泣き出した真妃をみて史也は観念し…
「はぁ…わかったよ…だからもう泣かないでくれ…」
史也はそう言って真妃の頭をなでなから
ニコッ と笑いかけました
すると真妃は泣き止み
「お兄ちゃ~んえへへ」
史也に甘えていました
二人はお弁当を食べて、史也は真妃の勉強をみてやり
真妃は満足そうに自分のクラスに帰って行った(毎度のやりとりだったりする)
「いいよなぁ~史也。あんなに可愛い妹が居て…俺にも妹が(真妃ちゃんと同じクラスだったりする)いるが…可愛いげ無いし、いつも俺をイジメるし…クラスの女の子にも…あげく他のクラスの女の子にまで…うぐぅ~」
ブツブツ言っているのは史也のクラスメイトの明<アキラ>
「だろ。だ・け・ど お前なんかに(真妃)はやらね!?」
ニマニマしながらいつものようにからかいながらあしらいう史也
すると明は更にいじけてそっぽをむき…
「いっ…いらねぇよ~だぁ」
とか言ってると…
ドスッ ヒュ~ ドサッ
「いてぇ~」
「思い知ったか!? ば~か」
ほ~ら言わんこっちゃない。そんな事ばかり言ってるからいつも史也に吹っ飛ばされるんだよ明は学習能力ゼロだな
毎度の事なのに飽きもせずクラスメイト達は大爆笑
それから数時間後(放課後)
真妃は史也を迎えに行った
「お兄ちゃん、帰ろ」
史也は何も返事をせず鞄を持ち真妃の方に行き帰って行った
帰り道
「晩御飯、何がいい?」
さっきまで無反応だった史也が突然喋りだした
友達や知り合いが居ないとたま~に優しい口調になる史也
「う~ん…あ。エビグラタンがいい~お兄ちゃんお手製の」プリプリえび~
真妃は史也が作るエビグラタンが大好物なんです
「えっ? 一昨日食べたばかりだろ?」プリプリえび?
一昨日史也が作っておいてあげたのだ(史也が予定があり家に真妃一人きりになってしまうから)
プクゥ~「だって食べたいんだもん」プ~
ムクレ面の真妃
[しょうがないなぁまぁそんなところも可愛いんだけど…(心の声)]
「分かったよ作ってやるからそんなにムクレんなよ…な?」
妹に甘々な史也
「エヘヘッ わ~い。お兄ちゃん大好き」
満面の笑みで史也を見る真妃
(カァ~)「今回だけだからな、今度は知らないぞ!!」[くぅ~可愛い(心の声)]
そう言いながら毎回我が儘をきく史也…なんせまぁシスコンですから
「じゃ、買い物行こう」
史也の腕をギュ~ってしている真妃(甘々)
少し照れ気味の史也
二人は仲良く買い物に行った
よく(私服だと)親子に間違えられる…ってのは冗談で
恋人に見間違えられます(笑)
スーパーで買い物中~
「真妃…グラタンの材料カゴに入れて持ってきてくれ」
本を立ち読みしたいが為に妹をパシリに使う史也
「は~い」
元気よく返事をして行った
数分後
気配を消して史也に近付き…
ガバッ
「お兄ちゃん まだ読んでるの?」
後ろから史也に抱きついた真妃
「うわっ…ってなんだ真妃か…驚かすなよっ!!」
本気でビビッタのでちょっと怒鳴り気味で言ったので…
真妃は史也の声にビビってます
それに気が付いた史也は…
「あっ…ごめん。大丈夫か?」
オロオロ、オドオドする史也
(ビクビク…)クスクス「なんちゃって」エヘヘッ
実は冗談でビビって真妃なのでした…
すると
フゥ~「はぁ ワザト驚かすなよ バカ!!」
ムカッとくる史也
「 [ヤバッ] ごっ…ごめんなさいお兄ちゃん…」
ウルウルしながら謝る真妃
渋々許す史也(妹に甘いな)
そうして二人は会計を済ませ家に帰って行った
20分後(家にとうちゃ~く)
すでに普段着に着替えてリビングに居る真妃(ハヤワザだな)
そして史也はキッチンで準備中
「ふぅ~さて作りますか」(←袖捲りちゅぅ~。ついでにエプロンの色は薄い灰色)
「ウフフ。楽しみだなぁ~」
ウキウキの真妃
「楽しみにするのはいいけど、 ちゃんと宿題終わらせてからな!!」
きちんと宿題が終わらせないとご飯は抜きらしい…
「はぁい」
渋々真妃は自分の部屋に行った
In Maki is room
(真妃達の部屋は二階にある)
「はぁ~早くできないかなぁ~愛しのエビグラタン~(←宿題どころではない)あぁでも宿題終わらなきゃご飯は抜きだしな…」
真妃にとってはとても辛すぎた
一時間半くらい経過した
「グゥ~ウゥッもうダメ…宿題は終わらせたけど他にする事ないし…」
ガクッ
机に倒れ込む真妃
すると…一階から声がした
『ご飯できたぞ!!』
史也の声が聞こえたとたん真妃は素早く起き上がり…
「あぁ~天からの声が聞こえたぁ~待っててねぇ~エビグラタン~」
待ちくたびれて…アホなこと言い
出した真妃…
「……何か今奇妙な声が聞こえたような…気のせいにしておこう!?」
本当は少しビビッてる史也
ドタッ ドタッ ガチャ
「いただきま~す!!」
今はエビグラタンにしかめがない真妃は…
「ハヤッ、まだ席にも着いてないのに言うなよな…」
ちょっと呆れてしまう史也
「ハワァ~逢いたかったよぉ~私のエビグラタン~」(←バカだ)
エビグラタンに夢中で史也の声など聞こえていません
「無視かよ!!…フゥ~ン、そんな奴には晩飯抜きだ!!」
ちょっとキレモードの史也
「ウッ…うわぁ~ん」
泣き出した真妃、慌てだす史也
「(ビック)ウワッ ごめん 冗談だって 真に受けるなって…」
アワアワする史也
(エグエグ、ヒクヒク)少し泣きやんだ真妃
「ほら…な? あ~んして?」
[ウゥッ…ハッ…ハズッ…(心の声)]
あたふたする史也
「あ~ん アグアグ ヒクヒク ニ゛ヘヘェ~」
泣きやんだ真妃、ホッとする史也
改めて楽しい食事の始まりです
「う~ん やっぱりお兄ちゃんお手製のエビグラタン美味しい~毎日食べてたいくらいだよぉ~」
グラタンを食べれて幸せそうな真妃
「それは良かった (ボソ)太るぞ」
バコッ
「い゛っ痛って~!?」[マジ蹴りしやがったなぁ…真妃(心の声)]
痛がってるのにどこか嬉しそうな顔をしてる史也
そして楽しい(?)食事は終わりお風呂に入り自分の部屋に行き寝た…
その日の夜、史也は寒気がした……これから起こる前触れのように…………
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