三月二十五日

 朝起きると昨日食べたキャベツやささみを吐き出したていた。

 やはり食べることが中々嫌な見たいで、食べたものをすぐに吐き出してしまう。

 それでもまだ吠えるくらいの元気は残っているみたいだから、少しだけ安心する。

 弁はあまりしない、したとしてもゲル状で量も少ない。


 姉がそらにジャーキーをあげてみると、指まで食べようとして来た。

 お腹が空いてるのかと思って、ささみや野菜も上げてみたけれどやっぱり口に入れただけで出してしまう。

 でもジャーキーを美味しそうに食べてる姿を見ると、それが堪らなく嬉しかった。

 撫でる度に体が段々と窶れていってることがわかる。

 背中を撫でると背骨のごつごつとした感覚が伝わり、腹を撫でると胸より明らかにへこんでる。

 前まで食べ過ぎなくらい丸かったのに、今では少し細見になってしまっている。

 抱きかかえると明らかに体重が減っていることが分かる。

 触れていたいのに、触れるほど変化が分かって辛くなっていった。


 そらの現状と共に、ここに思い出も書いていこうと思う。

 昔ドックランに連れて行ったときに、てっきり元気に遊び回ると思っていた。

 だけど、他の犬が怖いのか中々母の許から離れようとしなかった。

 抱き上げて遠くまで連れて行くと一目散で母の許まで駆け出した。

 その割には散歩は好きで、リードを持つとはしゃいでジャンプをしていた。

 今は散歩に行く元気は無いけど、元気になったらもう一度散歩に連れていきたい。

 またおもちゃで一緒に遊びたい。


 


 

 

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小さく儚い命 天童 京 @tendo_kyo

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