銀の王子


今から1000年前のお話。


世界は1つの大きな国が支配していました。

国では戦争も起きずに、人々は幸せに暮らしていました。


その国には、誰もが振り返るほどの美しさを持った、1人のお姫様がいました。

お姫様は銀の髪と蒼の瞳持ち、人々からは宝石よりも美しいと言われていました。

お姫様は沢山の人からは結婚の申し出を受けましたが、全てを断っていました。

彼女はその内、憧れの王子様を思い描くようになります。窮地を助けてくれる、かっこいい王子様を。





そんなお姫様とは正反対の暮らしをしている、1人の少年がいました。彼の姿はお姫様と同じ、銀の髪と蒼い瞳を持っていました。ですが、少年は人々から愛されることもなく、ひっそりと暮らしていました。


しかし、少年は毎日を逞しく生きています。彼は魔法がとても得意だったのです。その力で、少年は山や海、はたまた草原に赴き暮らしていました。

少年が使える魔法は様々で、その姿を見た人々は、彼を悪魔だと揶揄し、更に差別を続けていました。


ある日、少年は街でお姫様を見かけました。その美しい姿を見た少年は、お姫様に一目で心を奪われていました。


少年は心にモヤモヤした気持ちを抱えていますが、本人はそれが恋であるということには気がついていません。

何もない日々を過ごしているうちに、少年はお姫様のことを考えなくなっていきました。


自分はお姫様とは身分が違いすぎる。そう思って、彼女の事を考えなくなっていたのです。


少年がお姫様を知った日から何日も経った時、運命の日が訪れます。

世界に5体の大きな怪物が現れたのです。


怪物はそれぞれ赤、緑、紫、黒、金の色をしていました。

怪物は世界を壊し、沢山の人々を苦しませます。

怪物はどんどん世界を壊していき、遂に赤の怪物がお姫様の住むお城までやってきました。

お姫様は覚悟を決め、怪物に食べられることを待ちました。


その時、お姫様を食べようとしていた赤の怪物が、突然消えました。

銀色の少年が、お姫様を助けにやって来たのです。


少年はお姫様をお城から助け出し、自分が住んでいる家に戻ってきました。

お姫様は聞きました。どうして助けに来てくれたの?と。


少年は答えました。君が危ない目にあっていたから。と


少年はお姫様から、王様たちは死んでしまったことを聞きました。お姫様は泣きました。少年は彼女を抱きしめながら、告げます。怪物を倒してくると。


お姫様を残し、少年は怪物を倒す旅にでました。彼は5つの宝玉を使い、怪物たちを倒していきました。

そして、少年は5体の怪物を倒し、世界に平和を取り戻しました。



その後、平和になった世界でお姫様とは少年は結婚し、幸せに暮らしました。



人々は彼をこう呼びました。


──銀の王子。と



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