ケイティとの同居

 

 ケイティの仕事が終わってから、屋台で食べ物を買ったあと施設の近くにあるケイティの官舎にやって来た。


「まぁ、上がってくれ」


 そう言われて入った部屋は……見事に散らかっていた。


「これ……どこを使えば良いですか?」


「ん〜、そうだな……部屋はそこしかないから、適当に片付けて使ってくれ」


 上着を脱ぎながら、ケイティは壁を指し示す。色々な物に埋もれて僅かに扉が見えた。


「え、えっと……部屋がここだけって、ケイティさんは何処で寝るのでしょうか?」


「ん? 寝るなんて、ここで十分だろ」


 入ってすぐの部屋で寝るらしい。アベルは、何故これで、ここに住めと言い出したのか不思議思えてくる。アベルは実家が宿屋なのもあって家事は得意な方なのだ。


「とりあえず、飯…の前に汗流してくるか」

 と、言いながらズボンを下ろして、突然、下着姿になりだす。


「な、な、何脱いでるんですか!!」

 慌てたアベルが後ろを向く。


「水浴びしないと気持ち悪いだろ? あぁ、水浴び出来る場所は、官舎共有の井戸しかないからな。ほら行くぞ」


 シャツを脱ぐと、ギュウギュウに押さえつけたサラシが胸部を覆っていた。


(あ、あのサイズでサラシ巻いてたのか……よく鎧が着れるなぁ)


 そんな事を考えていると、置いていかれそうになり、慌てて荷物から手拭いを取り出しケイティに着いて行った。


 ◆


 共有の井戸の周りには、水浴び用なのか移動させられる衝立がいくつかあり、何人かが大人の胸あたりまでの高さの衝立をして水浴びをしていた。


 ケイティが衝立のひとつを取り広げる。


(流石に隠すよね)


 あまりの豪快な振る舞いに、ヒヤヒヤしていたアベルはホッとしたが、ケイティは立ったままサラシを取り去り衝立に掛ける。


(ただの服掛け用!って、見えてる、色々見えてるから!)


 サラシが外され、押さえつけられた乳房が、その大きさをふた周り以上膨らまして揺れる。

 その様子に慌てて後ろを向くアベル。


「ちょ、ちょっと……ケイティさん、見えてますよ」

「見られたからって減るわけでもないだろ?」


 周りを見ると、明らかにチラチラと周囲の男達がケイティを見ていた。


(こ、この人……いつもこうなんだ)


「なんだ少年、その年でもう女の身体に興味あるのか?」

 ニヤリとケイティが笑うと、


「ありません!」


 アベルは自分の分の衝立を用意すると、出来るだけケイティの方を見ないように水浴びを済ませた。


 ◆


 水浴びを終えて部屋に戻ったのだが、ケイティは下着こそ履いたものの、サラシも巻かずさらけ出したままに食事を始めようとする。


「せめて上に何か来てください……」


「どうせ寝るだけだし、めんどうだろ?」


「め、目のやり場に困るんです!」


 真っ赤な顔をしながら、極力見ない様に努力するのだが、どうしても気になってチラチラ見てしまう。


「チラチラ見てるじゃないか……見たいなら堂々と見れば良いのに」


 そう言いながらケイティはシャツを羽織る。だが前は止めていないし、濡れた身体をちゃんと拭いていないまま羽織ったので、あちこちが透けてしまっていた。


「い、いつもこんな感じなんですか? お、男の人ばかりなのに、危ないですよ?」


「プッ…あははは」


「わ、笑い事じゃないですよ! さっきだって、ケイティさんを見てた人も居ましたし……」


「いやいや、すまん。心配してくれてるのだな。だが、この騎士団で私より強いのは団長くらいだから安心しろ」


(そう言う事じゃ無いんだけどなぁ)


 気にした様子も無く、ケイティは買ってきた串にかぶりついた。


 これ以上は言っても無理だと諦めたアベルは、視線が胸に行きそうになるのを必死に耐えながら、横を向いたまま串の肉にかぶりついた。

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管理者に恋したナノマシン ~ 愛の為に世界ごと創造しちゃいました ~ なお @nao1212

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