〈下〉結実 への応援コメント
楊貴妃のライバルに梅妃という妃がいて、こちらは豊満で享楽的な楊貴妃に対して華奢で理知的な女性だったという伝承があります。
この作品の少女ヒロインは幼さ、小悪魔的な面影の中にも冷徹な意思の強さを感じさせる、しかし、どこか儚さや破滅も予感させる点で楊貴妃に先んじて不幸な死を遂げる梅妃を連想させます。
語り手の少年も年相応に性に惹かれる一方で少女を傷付けたことへの罪悪感を抱き続ける潔癖さを持っている描写に好感を持ちました。
作者からの返信
お読みいただきありがとうございます。またレビューまで…嬉しい。
梅妃、初めて知りました。心惹かれる人物ですね。楊貴妃とどんふうに渡り合ったのだろう。また調べてみようと思います。
執筆当時ラストどう締めるか迷ったんですが、ああすることで少女の存在が定まりました。変な話ですが私自身腑に落ちたというか。
ではどうぞ今後ともよしなにして下さいませ。
〈下〉結実 への応援コメント
自主企画から来て、引き込まれて読みました。後半の未熟さ、危うさ、そこから漂う残酷で背徳的な色香……見事な描写にうならされました。そしてやはり、『安是の女』の作者さんだぁ、と納得しました。未成熟と成熟の間の微妙な描写がうまい……!
作者からの返信
「成熟と未成熟の間の微妙な間」が書けてたなら良かったです。
正直を言えば、梅野のキャラクターに結構悩みました。女子の方が精神年齢が高いとはいえ、やっぱり十代なりの幼さを表現したいなあと思っておりまして。
『安是の女』の作者っぽいですかね、っぽいかー。カクヨムに登録して自分史上最も作品が乱立していて、改めて俯瞰して見ると面白いです。流れが見えるというか、体系が浮かび上がるというか。うん、『安是の女』本編、粛々と頑張ろう。
お読みいただきありがとうございました★
〈上〉開花への応援コメント
花を例えながら、これから不穏な雰囲気を感じてきて先が気になります。
ただ、鍵括弧は1行開けておくともっと読みやすいと思います。
紙の書籍なら鍵括弧を開けなくても読みやすいが、インターネット書籍だと鍵括弧を開けないと読みづらくなり、特にスマホだとそれが強くなります。
それでも続きがどうなるか、気になる作品ですね。
作者からの返信
初めまして、お読みいただきありがとうございます。
不穏な気配を感じ取っていただき嬉しいです。前半は思い切り雲行き怪しいラストで締めくくらせていただきました★
鍵括弧の件は、会話文のところですよね。これは悩みどころで、痛し痒しとゆーか、ケースバイケースとゆーか。今後も考えていきたいと思っています。
〈下〉結実 への応援コメント
とても印象的な短編でした……
終わり方が文学という感じで大好きです。
純粋な興味というのは残酷なものですね。
中学生という時期においては男よりも女の方が精神的に成長していて、しかしながら女も幼稚さを孕んでいて、というのがとても上手く描かれていると感じました。
何か考えているような、考えていないような、意味ありげな梅野の行動の意味を想像するのは楽しい時間でした。
作者からの返信
自作を公開した時は、いつも息が詰まります。そして伝わった時の安堵感よ。
梅野の幼稚さがにじみ出てますかね、なら良かったです。思春期の男女は両者ともに未熟で、駆け引きができるほど経験も余裕もなく、でも異性だから特別に見えてしまうのかもしれません。
ラストは今日の今日まで悩み、公開前に直しました。で、自分で読み直してヒロインの反応にびくりとさせられて、ああこれで良かったのかなと自分で頷いておりました。
楽しんでいただけて、幸いです。
〈下〉結実 への応援コメント
今年の1月に読ませて頂いて、辰井さんのブログの紹介を拝見し、改めて読み直させて頂きました。
文章、物語が見事なのは変わりませんが、梅野の印象が非常に変わったのが新鮮でした。一度目は梅野が闇に佇む正体不明の悪鬼のようなイメージを受けたのです。もちろん、それを生み出したのは三崎なのですが……。
でも、改めて読み返してみると、なんというか、ただの不器用な少女に見えて、以前感じた怖さが少し薄らいでいるような感覚に陥りました。
タグの悪女に引きずられたのか。と、はたと立ち止まりましたが、それだけではなさそうで、一度目はやはり三崎の目線に引きずり込まれていたのではないかと思います。そして、毒を直接食らってしまった。
二度目はある意味、その毒を知っているというか、咲かない梅が脳裏のどこかにあったからまだ若い二人の濁りを素直に見れたのだと思います。そして、どちらもとても面白かったです。
一度目は言葉にできずに、とぼとぼ帰ったのですが、こうして改めて読めてよかったです。
作者からの返信
再読、すごく嬉しいです。
「悪女」のタグをつけながら矛盾しているんですが、梅野はかわいい子だと思っています(激おこですが)。
とは言いながら、最後の一文思いつくまでは私自身、彼女がよくわかりませんでした。全能の神でもあり、怒り狂う暴れ馬でもあり、小さな迷子でもあり、その全部。改めて、少女という存在の不可思議を思います。
おありがとうございました!