episode3

 ……、事実だけいうと、妹が俺の部屋にいた。水着で。ちなみに俺は寝ていたが、扉の音で起きてしまった。一瞬みたら何故か水着の妹がそこにいたからとりあえず寝た振りをしている。



「おにーちゃん、寝てるのー?」

 そういってつくるは俺に顔を近づけてくる、水着で。あ、誤解なきように言っておくが、つくるの水着は長袖に長ズボン的な感じだから決して背徳ではない。

 待て待て、それ以上近づくな。嘘寝がバレても面倒だ。いや、これは夢なのかもしれない。第一、いつも無駄に着込んでいるつくるが水着ってのは何かおかしい。それに年頃の女の子が水着で兄の部屋に入るというのもおかしい。そうだ、夢だ夢だ夢だ。

 ちなみに目を閉じてもどこかふんわりとしたJCならではの香りが……!って香りを感じるって事はこれ夢じゃないやん現実やん!!もう無理やめてやめてよぉぉぉぉぉ。



「なんだぁ、おにーちゃん、ちゃんと起きてるじゃん、今日は水曜日だよー?学校行くよね?」

 あ、バレた。

「……何故俺が起きてると分かった?」

「私の人間観察のスキル舐めんな。」

 ……、んっ?どこかおかしい気が……。若干シリアスな表情になったし。まあ、つくるがおかしいのはいつもの事か。それより……、

「頼むから……、服を着てくれ……」

「あ、あぁ……、服はね、今洗ってるの。」

「汚れた?だっていつものパターンでいくと洗濯は昨日のうちに終わってるはずじゃ……?」

「そ、そうなんだけどね!ほ、ほら、念入りに洗う気分だったってゆーか?まず今日は外出しないんだし、真夏だし、これでもいいんじゃないかなっ!」

 やっぱ、おかしい……。まあ、俺の妹だからおかしいのは当然か。

「……ってか、お前、今日学校は……?」

「気が乗らない。」

「は?お前昨日俺にあんなにいろいろ言っといて何なんだよ……。」

「おにーちゃんと違っていつもは行ってるからいいでしょ?」

 な、なんか怖ぇ……。

「ま、まあ、休養は必要か。」

「分かってもらえて何よりです。じゃあ、リビングにいるから。」

 そう言い残しつくるは俺の部屋を出ていった。何なんだ一体……。ま、まぁ、魔術を使えばつくるの機嫌を直すことなど難しい事ではないからな……ククッ。

 それにしても、水曜日か……。昨日言っちまったもんな「水曜日に学校行く」って。さすがに妹に嘘つくなんてそんな罪深き事はしたくないな。仕方ない、学校とかいう戯れに付き合ってやるとするかククッ……。

 つか、時計を見たらまだ5時半だ。なんでこんなに早く起こすんだ……。二度寝しようとも思ったけどまた起きる時になんか変なつくるとご対面するハメになるかもしれん。残念だが、二度寝は諦めよう。

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