初仕事

「水は十分だ」

  老人の頭は回転していない、でも彼は私に話している、ようやく話した!私はそんなにも待つのを苦手で、もううずくまって落書き始めた。


「はい、先生!でもどうしてこんな大量の水を汲むのですか?」

「今日の仕事、分かるか?」

「いいえ、でも言う通りします」

「今日はきみが飯を食う、それもわしが言うか?」

「そんな…心配は及びません先生、畑の仕事なら全部出来ます。ここの土は豊だから、六畳間ろくじょうまの土を分けたら十分です」

「馬鹿もん、ここはきみとわしだけ、畑はいくらでもある。1ムーや2ムーや勝手に食べろ。ただし畑のルールはわしが決める、分かるか?」

「承知いたしました、先生」

「ふん、ついて来い」

「はい」


  私は老人とともに小屋へ戻り、昨晩老人が仕事をしていた場所に座った、座ったのは老人で、机の周りは他の椅子が無いから、私は立つしかなかった。


「なに突っ立っておる、どこの砂袋すなぶくろで座ったらどうだ?」

「砂袋?」

「なんだ?分からんのか。じゃわしがすわる、きみは椅子に座れ」

「いいえ!砂袋に座りさせていただきます」


  砂袋の外は動物の毛皮もうひ、意外のことにこいつはとても柔らかい、全然砂の感触はない、天鳥あまとりの羽みたいだ。


「問う、畑に害虫がいちゅうがいたらどうでる?」

「…特にいい方法はありません、先生。ただ人は小さな蛇を飼い、害虫を捕食するとのことが聞いたことがあります」

「もし害虫が小さ過ぎゆえ、蛇が見えないならどうでる?」

「小さい?…小さな文字があったら私は透明とうめいな石を載せて字を大きくさせるのですが、虫ならば……」

「完全な阿呆じゃないな。虫のことは虫に任せる、分かるか?」

「…ごめんなさい、分かりません」

「それでいい、分からないことは分からないと言え」

「はい、父がいつもそう教えてくれた」

「きみの父を忘れるな、奴は賢い人間だ……碗の中の虫をよく見ろ」


  老人は木の碗を私の目の前まで運んでくれた。私は息を殺し、エンドウなみの青虫をよく見る。虫の目は、大きい、一つの目玉は半分の顔よりでかい、それにメッシュまみれて…体の方は繊細て、長い、前の足はカマのように高く掲げた。でも虫たちは小さくて、群れて、見ることがとても大変でした。


「小さいけど、カマキリに似ってます。でも私、こんなに小さなカマキリを見たことはありません」

「ふん、血縁はある。この虫は肉だけを食う、草を食わん、畑で飼うと害虫を根絶やす、だからこいつらを畑で飼う」

「……でも虫は動ける生き物、どうやって畑の中だけ飼うのですか?」

「だから虫を畑の中に閉じこむ」

「閉じる?おりですか?でも畑全体を覆うには…リンネルを使えるかもしれない」

「一つの手だな、でも簡単な手じゃない。それにここはわしのルールに従う、言うまでもないな?」

「はい、先生」

「よい。今日は虫に骨格をつける、1セットの骨格こっかくは40本の骨と60本の関節かんせつ、ペーパー通りやれ、全部完成した後わしに見せろ」


  ペーパーに載せた虫はおおよそ50倍ぐらいに拡大された、私はペーパーを描けないのですが読むことができます。水車の設計図せっけいずとか、風車の設計図とか、昔読んだことがあります。でも一番面白いのはやはり汽車きしゃだと思う、あれは車輪をモノレールの上に固定させ、坂の高低差こうていさを利用して滑走かっそうする車です。坂を登る時は熱気球ねっききゅうを膨らんで車体しゃたいを引きます、一人の力でも、大きな車を動かせる。頂点に戻ったら、車夫しゃふが火を消し、ぺったんこの気球をおんぶし、よたよた坂を降る。


「でも先生、骨をこの虫の中にインストールしたのですか?」

「そうだ」

「……不可能ですよ?虫はこんなに小さくて…つけるはずがない?」

「ふん、何が不可能だ。きみの鼻は呼吸し、血液は走り、指は障害しょうがいが無く、出来ないことはあるか?練習れんしゅうは知らんのか?」

「練習って、でもこれは何時まで練習したらよいのですか?仲間たちはいまだ待っていたのですよ?」

「帰りたいったら勝手に帰れ!ここに居たらわしの言う通りにしろ!わしを怒らせるつもりか?」

「!そんな…怒らないで、言う通りしますから」

「嫌々する必要はいらん、やらないでも飢え死にせん。ここは100セットの骨格がある、始めよ。使え切ったら自分で作れ!」

「はい、お気に障りました、どうか怒らないで欲しい」

「勝手にやってやらぁ、わしのことはなんだ!わしが怒ってもきみも飢え死にせん」


  先生は一つの竹籠たけかごを残し、プンプンした背中で去った。彼はそんなにも怒りやすい人、今後発言した時は気をつけなきゃ。竹籠の中に沢山のリーフパッケージがあった、この中はきっと骨格があるはずだ。私は小心翼々と一枚の葉を広げ、目に映したのは微塵みじん木屑きくずだった…


  普段気づきさえもしない木屑をそっと机の上に載せ、手元の透明石を持ち出し、木屑に押し当てた。本当に骨格だったんだね、木の糸は太さそれぞれの棒、関節は精緻な歯車はぐるま、設計図と寸分も違わない。しかし、こんなに小さな木屑は本当に人の指で持ち上げることができるでしょうか?

……


  もう何時間経つとやら、私は疲れて、額に汗が滲んで、ご飯も顧みず。ただ意外なことに、もう30個の部品を成功につけました。私はツメを適合な形を切ってから、微塵のものをしっかり持つようになった、もちろん練習は欠かさないが。私はもう上手になり始めた。不可解のことに、骨格の接続ポイントはのり無してもちゃんと維持いじすることができる。私はもっと多くの骨をつけてから、初めてその神秘な原理げんりを知ると思う。


  たとえ小心者しょうしんものにいてつもりでも、最初の試みの中幾つかの部品を損失した。これから私はもっと上手になれるはず、でも一つ一つの部品を覚えるのも大事です。部品は全部13種類、いまだ全部見分けることができません。私は部品に番号ばんごうを与えることが試した、それから損失した部品の数とナンバーを細かく記録した。私はまだ骨格を作ることができない、手元の材料を最大限に利用しなきゃ…私は骨格した青虫が必要だ、もし彼らは私の食べ物のため、力になれるのなら。


  こうして試行錯誤しこうさくごのうち、私は最初の虫を完成した。心のなか踊るように高揚こうようだが、精神はひどく疲弊ひへいした。お昼からもう随分経った、私は食べ物を必要です、餓えた胃袋いぶくろは私の意思を恍惚こうこつとする、十の指が震える、もうこれ以上は続けない。

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