今回の一件の後日談

催眠の効果で更生した慎也さんは、警察の取り調べに積極的に応じている。


とはいえ、薬物に手を出したのは事実なので、当分は留置所から出られそうにはない。


真面目な人らしいから、素行が認められて案外早く出てくるかも。


パワーに関する事件はまだ終わっていない。


あれからバジリスクも現れない。「ここからは私の戦争だ」彼女はきっとあの闇の中で彼女なりの正義を貫いているのだろう。


先輩達とはたまに会う。今度紹介したい人がいるとか、なんとか…。


相変わらず、読めない人達だ。


音羽は、僕の事を祐と呼ぶようになった。いつからかは思い出せないけど、僕が音羽と呼ぶようになったからだという。


「こんなんじゃ足りないけど、せめてものお礼」


そう言って音羽は、あの公園でクレープを奢ってくれた。


僕は、いつも通り、あれから超能力は使っていない。


昔、この能力を多用して周りを傷つけたことを、音羽にもちゃんと話した。


「僕が超能力者だって事は、やっぱり秘密にしておいてほしい」


「うん、わかった! 約束する!」


僕は落ちこぼれでいい。


この能力に安易に頼るべきではないことはわかっている。


だから僕は無能力者として振る舞い、生活する。


こんな噂がある。


能力者が集う、東西南北中央の5つに区分される能力学区。

そして、能力者の中でも最も貴重で上級種に位置するのが超能力者。

日本でたった10人しかおらず、その存在自体が貴重である。

そんな超能力者の中に、たった一人







落ちこぼれの超能力者がいる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る