第3話

志賀直哉様へ


私はあなたの小さい時にたった一度だけお会いさせて頂いた者です。

あなたとのお話しはとても楽しいものでした。

さて、私達が心通わせることが出来たのは他ならぬ言葉のお陰です。

そんな言葉に関する話しを一つ、あなたの少し先を生きるものとして、してみたいと思います。

確信犯という言葉がありますよね。

これは本来の意味では「自分が正しいと確信した人による犯罪」というものです。

ただこれがいつの間にか「犯罪だと分かっていながらも起こした犯罪」というものに、意味を歪めたまま広まっていきました。

日本中で誤用したので、その歪んだ意味も元々は間違っていると日本中が分かっていながら、別の意味として認められたのです。

そうして日本は確信犯となったのです。

まぁこんな感じで言葉は変わっていくものですが、今のあなたの言葉を大切になさって下さい。


しがない旅行者より

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