金一郎の紹介で来た無口な探偵さん
インタビュアー(以下・イ)「今回は大島サイクル営業中で1度だけ出てきた謎の探偵さんです。無口な方だそうですが…もうすぐ待ち合わせ時間なのに姿が見えない…」
無口な探偵(以下・無)「俺はここに居る…」
イ)「…いつの間に」
無)「振り向くな…そのままで話してもらおう」
イ)「はい。では簡単に自己紹介をしてください」
無)「……本題に入ってもらおう」
イ)「インタビューなんで…これが本題なのですが…」
無)「……!」
イ)「職業柄細かな事はお話しできない…で良いですか」
無)「……」(黙ってうなずいています)
イ)「犬派ですか? それとも猫派ですか? 理由も添えて教えてください」
無)「犬は役に立つときもあるが猫は利用価値が無い…犬だ。警備や作戦に犬を使う事は有っても猫は使えない…」
イ)「なるほど、あくまでも仕事の相棒と言う意味で犬派ですね」
無)「……」
イ)「大切な人はいますか? いたとしたら、なぜその人が大切なのですか?」
無)「居ない」
イ)「
無)「何とでも呼べばよい」
イ)「 10億円あったら、何をしますか?」
無)「…すでに持っている…スイス銀行の口座へ振り込んでもらおう…」
い)「お金持ちなんですね…では次の質問です。ここ最近で一番楽しかったことや面白かったことはありますか?」
無)「……生きて今日という日を迎えられた事だ。仕事道具が出来上がった事もだな…」
イ)「悲しかったことはありますか?」
無)「……そういう感情は捨てた……」
イ)「 目の前に傷ついた子供がいるとします。どうしますか?」
無)「子供であろうが誰であろうが関心は無い」
イ)「職業柄ですか?」
無)「……」
イ)「見覚えがない異性が声をかけてきました。どうしますか?」
無)「…俺は抱く女は自分で決める事にしている」
イ)「えっと、『自由に質問コーナー』です。まずは大島サイクル店主の
無)「依頼者のプライバシーは話せない。億田氏には命を救われた恩が在る…とだけ言っておこう…」
イ)「億田氏が滋賀から離れていた頃ですね?億田氏もその事は語らない様ですが?」
無)「…人の過去を詮索しない事だ…」
イ)「では次の質問です。『あなたに依頼したい場合はどうすれば良いのですか?報酬は御幾等ですか?」
無)「……俺を知る物を通じてラジオで『讃美歌13番』をリクエストしてくれ。または新聞広告の尋ね人の欄でメッセージと連絡先を掲載してくれ。キーワードは『G13』だ…報酬は20万ドル…スイス銀行の口座へ振り込まれ次第、仕事にかかる」
イ)「 最後に、このインタビューを読んでいる人にメッセージをどうぞ」
無)「…俺の後ろに立つな…命が惜しければな…」
イ)「物騒な…散髪屋さんはどうするんですか…って…居ない…」
この日の深夜、国会で重要な証言をする予定だった人物が殺害された。
イ)「奴だ…奴が…やったんだ!」
チュイィィィン!……ビシッ!
一発の銃弾がインタビュアーのメガネのレンズを掠めて壁に突き刺さった。
イ)「じゅ…銃弾!?…まさか…これは警告か…奴の警告か…玉の来た方向はあちらか…こうか?…わかった。誰にも話さない…」
無)(『これは警告か…わかった。誰にも話さない…』…か……)
1㎞離れた場所でスコープを覗く男の姿が在った…
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