第15話朝食パーティー

小さなヤシロで一晩過ごしたアリスは、古いスモモの木から赤く熟した実を三つ食べ、三つポケットに入れ、小さな鳥居を抜けて川に行きました。


川に行くとコイさんを探しました。

「コイさん、私を河口まで乗せて行ってくれませんか?」

川を下る途中で、カラスさんに会ったりして、みんなに声をかけながら行きました。

河口付近まで来ると、海の方から強烈なサビの臭いがしてコイさんは驚きました。

関西エンペツの工場に着くと、アリスは大食らい猫さんを見つけるとスモモを三つ渡しサル社長さんはどこにいるかを尋ねました。

サル社長さんとカピパラ首相は中央小学校で朝食パーティーをしているようです。

「みんな乗ったかい〜?」大食らい猫はバスの運転席からそう言いました。バスにはアリスのほか、いつの間にか、どういうわけか乗り切れないほどいろんな動物たちでぎゅうぎゅうづめになっています。


中央小学校に着くと、ドームの体育館で盛大にパーティーが開催さていました。

壇上のカピパラ首相のまわりには、たくさんのプレゼントの箱が高く積まれています。横でカピパラ夫人が箱を開けて中身を取り出しては喜んでいます。

サル社長とヌートリア先生は大きなお皿に山盛りになった食事を次から次へと手に取って食べていました。


アリスは扉を開けて入ると言いました。

「赤鉛筆だけの授業はイヤだわ。赤鉛筆で落書きしてても楽しくないし。それにヒビの入った水槽にマンホールを入れているせいで海が汚れているのもイヤだわ」

「子供は先生の言うことを聞いていればいいんだよ」とヌートリア先生がジャガイモを片手に言いました。

「ワシもイヤじゃな」とアリスのポケットの中からムカデじいさんが出てきて言いました。

「老いては子に従えって言うでしょう、ねえ」とカピパラ夫人が真珠の首飾りを両手に言いました。

「ボクもやだな〜」と大食らい猫がいいました。

「従業員は黙って働いてればいいんだ!」とサル社長がバナナをかじりながら言いました。

「オレもやだね」カラスさんが言いました。

「税金も払えない貧乏人は言う権利はありませんね、うん」とカピパラ首相が壇上のイスにふんぞりかえって言いました。

「ワイもいややで!」とロンちゃんが言うと、体育館はギャアギャアと怒号が飛び交いピリピリした緊張感が全体を包みました。

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