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「本当、男の人って甘いものが全然ダメな人と凄く好きな人と両極端よね」

「そうですね、そうかもしれません」

 辛口の酒を好む人でも、甘いものが一切ダメな人とめっちゃ好きな人といるもん。俺はもちろん後者。

「浩太郎さんはどうですか?」

 優しげな見た目からして甘いものとか凄く好きそうだけど。

「それが全然だめなのよ」

「え、そうなんですね」

「私より甘いものが苦手だからね。お酒の甘いのとかは平気みたいなんだけど、お菓子の甘さはダメみたい。だからスタッフの子からパンケーキのカフェとか勧められても行けないのよね」

 まぁ私も行かないんだけど、と続けた割にちょっとだけ寂しそうだ。

「昔から甘いものは苦手だったんですか?」

「いや、それがね、ふふふ」

 ふふふ?

「実は浩太郎が甘いものが苦手だって知ったの、大人になってからなのよね」

「え、そうなんですか!?」

 二人は昔からの幼馴染だったんじゃなかったのかよっ。

「なんかね、昔からあんまり得意じゃなかったらしいんだけど、我慢していたんですって。一緒にケーキを食べたり、毎年バレンタインのチョコをあげていたりしていたのにね」

 それって蘭子さんを悲しませたくなかったから、我慢していたってことだよな。

「ふふふ、そういう所もいいのよね」

 ったく、結局惚気かい。この間まで浩太郎さんに怒っていたというのに。

 蘭子さんが笑うと、髪に飾られたゴールドのバレッタがキラリと輝く。きっと浩太郎さんからのホワイトデーの贈り物に違いない。

「仲がよろしいことで」

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