羊串の女将(飲食店経営、30代女性)

──簡単に自己紹介をしてください。


女将(以下、"将")「グーニー・エールビカ=エトフォア、目抜き通りで飲食店やってるよ。よろしく」



──はい、それでは早速。犬派ですか? それとも猫派ですか? 理由も添えて教えてください。


 将「動物はみんな好きさ。あぁ、でも春分祭の前日にヨゾラちゃんって猫に会ってね。最高だよあの子」



──大切な人はいますか? いたとしたら、なぜその人が大切なのですか?


 将「うちのバカ息子さ。知ってるかい? あの子、楽隊に選ばれたんだよ! いつもボケっとしてたのに、急にアーファーヤやりたいとか言い出してさ。暇さえあれば練習して、そしたら選抜通ったんだよ! 忙しいのに衣装作るの手伝わされてさあ、全く冗談じゃないよね? まー、でも良いかね、それぐらい。終わって帰ってきて、何を言うかと思ったら『大声で名前よぶなよ、恥ずかしい』だってさ。やんなっちまうよねぇ、年頃の息子ってのは。あれでも小さい頃は何かあるとすーーぐあたしのスカートの後ろに隠れて……」



──すみませんその辺りで。金貨10万枚あったら、何をしますか?


 将「あぶく銭はねー。まぁあたしがばっちり預かっといてやるさ」


──ここ最近で一番楽しかったことや面白かったことはありますか?


 将「やっぱり春分祭かねぇ。そういや、ドゥトーさんとこのお弟子さん、変な動物連れてたねぇ。どこであんなの見つけるんだか」



──使い魔、だそうですよ


 将「はー、そうなのかい? ドゥトーさんもそういえばトカゲを背中に張りつけてたねぇ。ああいうのか」



── そのようですよ。次の質問ですが、悲しかったことはありますか


 将「悲しい──ねぇ。悲しい事件があったばかりさ。でもまぁ、あたしに出来るのは羊焼いてお茶入れるぐらいだからね。明日も朝から羊を焼くよ」



──目の前に傷ついた子供がいるとします。どうしますか?


 将「肉を喰わせる。子どもには肉が必要だよ」



──見覚えがない異性が声をかけてきました。どうしますか?


 将「あはははははは! 旦那が黙ってないから逃げろと言うよ」



──最後に、このインタビューを読んでいる人にメッセージをどうぞ。


 将「しゃべる黒猫ちゃんにも大絶賛の羊肉だ、エレスクの朝に一本どうだい? 目抜き通り三十二番地、串焼きエトフォア、お参りの際にはぜひ寄ってっておくれ!」



──ありがとうございました


 将「はいはい、ありがとうね。焼けたのあるから、一本もって行きな!」

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