第11話鳴神にうたえと君はいう
「さて、準備は大丈夫ですか?長殿」
その視線の先にいたのは身体中に雷電をまとわりつかせた
「あぁ、問題ない」
白狐は右手で呪印を結ぶ。
「…舞えと歌えと君は言う…
白狐の呪印が高くかかげられる。
「我、
白狐の呪印が振り下ろされる。
「
言葉と同時に眩い雷が
『なるほど、雷獣に雷をくらわせるなんて阿呆かと思いましたが…雷獣のもつ許容範囲以上の電撃で叩いたわけですか』
地面に落ちた雷獣の亡骸を見て朱月は薄く笑う。
「…お見事様」
夜闇に妖しげな声が融ける。
「どこが見事なのか教えてもらいたいものです」
朱月は闇の奥にいる人影を睨む。
闇から出てきたのは
「まぁまぁ、そんなに怒るなよ」
「面倒だったんですね。自分で退治に行くのが」
朱月は手に持っていた太刀を鞘に戻しながら雷獣を見やる。
「後始末だけはやっておくよ」
新月は肩をすくめて言う。
「当然です、でなければ、我らの手柄とは言えません」
朱月の後ろから歩いてきた龍王丸と白狐は太刀を片手に新月に斬りかかる。
「おいてめぇ!ふざけんな何が悲しくて陰陽寮の汚れ仕事しなきゃならねぇ!」
「とりあえず滅多刺しにせねば気がすむか!!」
新月は 二人の太刀をギリギリの結界陣で防ぐ。
「ちょっ、待ち…!そんなに怒るなって」
平安京に一人の悲鳴が聞こえたとか聞こえないとか
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