第3話

必殺技研究所

ヒーローの肝とも言える必殺技を活用する上で欠かせない施設である。


そこに一人であれこれ考え込むシェインが居た。手に弓ではなく剣を持って。


「ふむ、シェイン待たせたな」

「鬼姫さん、待ってましたよ」

そこに現れたのは、と和服が似合う少女だった。


鬼姫

桃太郎にスパイとして嫁についた、鬼と人の共存を夢見る姫である。


「やあシェイン、何しているの?」

「おー、エクスさんも来たなら丁度いいですね」

「え?」


「今からシェインの、『片手剣の必殺技』を考えましょう!」

「「えー?!」


「カオステラーは、最近殆どの場合で元のヒーローの職業から変わるじゃないですか」

「え?何シェイン、カオステラーになりたいの!?」

「まさか、シェインがなりたいのは、カオス・ヒーローですよ。ただでさえ広範囲殲滅に定評のある妹分のシェインがカオス・ヒーローになったら周回最強ですよ!」

「えー……」「シェイン、お主はヒーローとしての事情もある故、それはむりなのでは?」「それに、逆に高難易度特化になる事もあるし、どちらにせよ高望みはやめた方が」

エクスには、シェインがカオス・ヒーローになり、タオがロクなことにならないという確信があった。


「……とりあえずね、カオス・ヒーローに限らずいろいろあるからカオス・ヒーローはやめようか」

「しかし、なぜ片手剣なんだ?」

「シェインがコネクトしてたアタッカーといえば鬼姫さんだからです。他の人を挙げるなら、姉御はアリスさんで片手剣。タオ兄はロビンさんで弓といった感じです」

「なるほど……ぼくは?」

「エクスさんはモリガンで魔道書です」

「ゴフッ!?」

「おいシェイン!エクスが吐血したぞ!?」

「気にしないでください。あれはエクスさんの現実逃避の手段の一つです」

「辛すぎる!?」


続く

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グリムノーツ箱庭茶番 時速32mm @hakurann

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