雪冤
「これが、彼女が無実である証拠です」
この国を担う若者達が集まる執務室の机の上に、何年も掛けて調べ尽くした結果をまとめた書類の束を広げる。これで、この国の王太子を殺めようとしたという濡れ衣を着せられた元公爵令嬢の疑いは晴れるだろうか。彼女の幼馴染みであったラドの願いは、しかし次の瞬間、無残に打ち砕かれた。
「何を今更」
元公爵令嬢を貶めた首謀者である王太子が、ラドが並べた机上の書類を全て、乱暴に床にぶちまける。
やはり、穏やかな解決は望めなかったか。次々と剣を抜く王太子とその取り巻き達に肩を竦める。この結末も、予想できたこと。息を吐くと、ラドは一瞬で王太子に肉薄し、その胸に自身の剣を突き立てた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。