初日の混乱
アスファルトの道を、焦燥のままに蹴りつける。
ようやく得た仕事の初日だというのに、寝坊してしまった。左手首に巻かれた腕時計が示す時刻から目を逸らす。あと十分で、信号三つ分先に見える高層ビルの二十階にある新しい上司の部屋まで辿り着けるか?
歩行者信号の赤に、苛つきながら足を止める。
見覚えのある人物が操るオープンカーが目の前に止まったのは、丁度その時。
「良いタイミングだ」
新しい仕事の面接時に上司の横にいた人物が、にやりとした笑みを向けてくる。
「乗れ。今から現場に向かう」
思いがけない言葉に、思考が混乱する。おそらく新しい上司の命令なのだろう。そう判断すると、彰は車の助手席に滑り込んだ。
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