宝石になってしまった仲間

 朝起きると、同室で寝起きしている冒険仲間、剣士のラドが宝石になっていた。

 あいつにしては、綺麗な石だな。ラドのベッドに転がっている小ぶりな石を手に取ってみる。しかし透明な青色は、あいつには似合わない。どんな場面でも冷静に敵を屠っていくあいつに似合うのは、血のような濁った赤だろうに。

 この石、どうしよう? 何も言わない宝石を、隅から隅まで眺める。磨いて首飾りに加工してもらえば、高く売れるかもしれない。いや、それでは、魔法戦士であるアキを補助してくれる剣士がいなくなってしまう。やはり、ラドを宝石にしてしまった呪いを解いた方が、自分の利益になる。小さく微笑むと、アキは宝石をポケットにしまった。

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