コントロール
水面で優雅に泳いでいても、水中では手足をばたつかせている場合もある。
誰もが二面性があり、その薄皮1枚の下には裏の顔があるものだ。
私は右近と左近から、この場所が人間の身体の中だと聞くことができた。
我々は母胎の赤ん坊に宿った神のようなものなのだと。
そして、ふたりは手足を管理していて、どちらが利き腕となるか勝負をしていたとのことだった。
「そうか、つまりアンタが今回のボスってわけだ。そりゃ勝てないわ」
武器を使えなくしたのは、私の能力だと教えると、右近は降参したとばかりに大の字に寝そべって言った。
右近の刀は、左近の豊満な胸に弾かれて落ちたままだが、正直なところ素手でも負ける自信があった。
「まって、アタシはまだ信用しちゃいないよ! アンタがボスだって証明できるのかい?」
左近が怖い顔で詰め寄るので、平常心を保つのに苦労した。
すると別の部屋で栄養の供給を止めているダンカンが活動を再開したようで、刀にオレンジ色の光が集まりだした。
「ならば、栄養を返して見せよう。自分たちの武器を確認するといい。それができるのは私だけのはずだ」
正確にはタンデンさんがそれをやるのだが、コントロールするのは私の役目だ。ふたりの言うことが本当ならな。
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