『今日』
「旦那様、おはようございます」
それは、2日に一度訪れる喜び。
僕におはようと言ってくれる人がいる。
僕にご飯を作ってくれる人がいる。
僕と、一緒にいてくれる人がいる。
「おはよう、沙夜」
そんな贅沢を感じることができる僕は、幸せ者だ。だというのに、それ以上の幸せを願ってしまう。
どうしてこんな日々が、毎日続いてはくれないのか、と。
「今日はお早いですね。申し訳ありません、まだ朝食のご用意ができてなくて…」
「いや、いつもと同じ時間でいいよ。今日はたまたま早く目が覚めちゃっただけだから」
「左様でございますか。では旦那様、よかったら一緒にお散歩にでも参りませんか?今日はお天気もよろしいですし、とっても気持ちいいと思いますよ」
「いいね!まだかなり時間あるしそうしよう。朝に散歩するのは体にいいって聞くしね」
「はい。朝のお散歩は1日の始まりを体に教えてあげる、とってもよい方法なのです。メリハリがついて1日を元気に過ごせますよ!」
「それじゃ、顔洗ったらすぐに行くよ。玄関で待っててくれ」
「かしこまりました」
沙夜と一緒にいられる、この日々が。
永遠に続けばいいと、僕は切に思う。
今日は、素敵な1日の始まりだ。
そう。
沙夜いない、昨日とは違って。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます