第04話;脳内変換王子はとび蹴りを食らう(中編)

「魔力の流れが気持ち悪い!」


本当に気持ち悪そうに、クレセント皇女に思わず言った、

「なっ・・・」

唖然として真っ赤になって行くクレセント皇女

「クレセント皇女様、手を繋ぎましょう、王子様も気持ち悪いので皆で」

「え?、はい?」

フレイアはクレセント皇女の手を取ったそして

右にクレセント皇女左にブライアン王子、ブライアン王子とのクレセント皇女と手を繋ぐザグレブ王子、輪になるように手を繋ぐ4人

「行きます!」

フレイアはいきなり始めた

すると王様程では無いが王子達も光出した、

「うん綺麗~」

満足気に言うと、クレセント皇女と手を離したフレイア

しかし左はまだ繋がれたままである

ドキドっとして、ブライアン王子を見るとフレイアを見つめていた。

益々ドキドキして、2人で顔を赤くした。

「何なんですの?・・・この感んじ、力がみなぎるわ、貴方は一体何をしましたの?」

クレセント皇女は、唖然としてフレイアを見つめた

「せっかく綺麗な魔力なのに気持ち悪い流れ方してるのは嫌ですよね・・・」

無邪気にフレイアは笑った、そしてそのまま倒れた、

ブライアン王子は支えようとしたが、まだ4歳のブライアン王子では支えきれずに床に倒れ込んだ。

魔力切れである、まだ自分の魔力量を把握してなかったフレイアだった。

しかし魔力の調整は実は相手と同じ量の魔力が必要だった、調整前の王よりもフレイアの魔力が多かったという事である。

慌ててキルビス公爵が駆け寄りフレイアを抱き抱えた。

王は初お目見え会に来ていた貴族達に、口外無用とキルビス公爵令嬢との接触は王の許可なく出来ない事を王命令とする事を宣言した。


その後1週間寝込んだフレイアの知らぬ間に、王とキルビス公爵間で色々と決められた。

10歳の王立学校入学まで、普通の上流貴族ならば家で家庭教師なり雇って教育するのだが、フレイアは王子や皇女達と王宮に通って勉強することが決まった。

初お目見え会のことを知らないディラン王子はそれにかなり反発していた、賢く王様に一目置かれてるフレイアに嫉妬していたのである。

メイド達も知っているものも居たが、王命での口外禁止、王子にも言うことは許されなかった。

ディラン王子はフレイアにいやからせを始めたりしていたが、クレセント皇女が何故か報復のようにディラン王子に翔び蹴りをしていた。

幼女といえどフレイアによって魔力の質が変わったクレセント皇女、翔び蹴りの威力も上がっていた。

ディラン王子は命の危険も感じていた、後ろに必ずメイドか護衛を背後に配置するようになった

クレセント皇女も自分の能力が上がったことは気軽いていた、一応手加減はしていたのではある。


さらに王の態度が変わったのは恒例の魔物退治から帰って来てからだった

王の魔力の発動、地形が変わるほどの威力、力は軽くみても10倍になっていた。

只でさえ国一の戦闘力を持つ王、今では世界一と言えそうである。


「フレイア嬢、他の皆の魔力も綺麗にできるかな?」

王は勉強が終わったフレイアを執務室に呼んで訪ねた。

「王様とクレセント皇女様、ブライアン王子とザグレブ王子のような綺麗な魔力の方は私が知る限り、後は正妃様位しか居ませんので綺麗なのは無理です。

けど、お父様みたいな綺麗な魔力が少なくても魔力の流れをスッキリさせて気持ち悪いのを治せる人はいると思います。出来ない人も居たので必ずではありませんが」


それから王はフレイア嬢を連れて毎日のように信頼のおける家臣達の魔力の調整をさせた。

もちろん報酬も払われた、しかしそれを2週間続けた所でフレイアは倒れた、1日20人近くの兵士や魔導師の調整をしていたが、まだ幼児のフレイアの魔力の回復が追い付かなかったようで、魔力切れで、この時は重症で1週間生死の堺をさ迷い、1ヶ月寝込んだ。

切れたのはキルビス公爵だった、もうさせないと宣言し

さすがの王も飲まざるを得なかった。

大きくなってから再開はされたが、その時魔力の質の変わった者の力の拡大は目覚ましいものだった。

国境でのソルビット帝国との小競り合いの戦況にも、魔物退治にも大きく影響した。

身体だけではなく、頭脳にも影響していた。


その時寝込んだ後のフレイア嬢の変化に気がついていたのは、ブライアン王子とクレセント皇女だけだった。変わった発明をしたり提案するようになり、小さいながら魔法省に出入りし当時の賢者にかわいがられていた。




フレイアは10歳過ぎて王立学校に首席で入学していた


《ドカン!バキバキ》

ちょうつがい一つでかろうじて吹っ飛ばない状態で半壊したドア

「ごきげんよう」

そう言ってブライアン王子の部屋に入っていくクレセント皇女

部屋で二人でパズルで遊んでいたブライアン王子とフレイア嬢はため息をつきながら

「「ごきげんよう」」

と返した。

フレイアが入学して勉強しに王宮に表だって来なくなったが、ブライアン王子の元には移転魔法でこっそり来ていた、それを知ったクレセント皇女は二人のもとに押し掛けて一緒に遊んで居たのだ。

何故かいつもドアを壊して

フレイアが魔法で元に戻していく。


王の許可無くフレイアへの接触禁止はまだ生きていて、フレイアはこっそり来ていたのだが、実はブライアン王子は王に許可は貰っていた。

二人っきりになりたかったのでこっそり来るフレイアに黙っていた。

でも双子の さが なのかクレセントにはバレバレであった。

フレイアは乱暴者のクレセント皇女は苦手だったが嫌いでは無かった。

訓練以外で乱暴するのはディラン王子とドアにだけだったし、自分を好いてくれてるのがわかったからである。。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

コンコン、ドアを叩く音

「入れ」

ブライアン王子が言うと

「失礼致します」

と古参のメイドを筆頭に朝食を持ってメイド達が入って来た。

ガラガラとワゴンを押して入って来たメイド、

(なぜ、ドアって壊れてたよね、どうしてフレイア公爵令嬢が?)

不思議に思いながら朝食をテーブルに並べていく。

メイドか退出するとクレセント皇女が言い出した。


「ブライアン兄上フレイア様、二人は正式に婚約されたのでしょう?仮でもディラン兄上の婚約者だった時は会うのも遠慮してらしたの知ってましてよ。今日はじめて一線を越えられたのね。良かったですわ」

フレイアはまだ真っ赤である。

「もう公認なのですから正面から堂々とお兄さまを訪ねられませ、私ももう突撃することもありませんので」

「どうかしたのか?クレセントらしくない絶対結婚しても突撃してくると思っていた」

ブライアン王子はなんだか心配そうであった

「私も結婚が決まりましたの、もう王宮にいないので突撃はできませんわ」

「えっ?」

2人は驚いてクレセント皇女を見た

「そのような話し初耳だぞ」

「今回の親善訪問で決めましたの」

落ち着いた雰囲気のクレセント皇女を見て2人は何かあったのだと悟った


「ボルティモアの君主である響喜(ひびき)様との結婚が決まりましたの」

「ボルティモアの君主殿は側室2人、子供はいらしゃいませんでしたよね、それにご年齢ももう50歳くらいではありませんでしたか?前に研究室絡みでお会いしてお話させていただいたことがあります。年齢の割りに見た目はお若いとは思いましたけど、少し夢見がちな方だな?と思いました。雑談の中で、正妃をお迎えにならないのかと聞いたら、『運命の人を探しているんです』そうおっしゃってましたよ・・・・」

フレイアはまさかと思いながらクレセントを見た

「側室の方々はもう随分前に降家されて響喜様は今は独身ですわ、今年50歳になられました。そして『私が運命の人』ですわ」


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