第12話;教会の再編とらぶらぶ

「い・いいのか?これは・・・」

ルシフがうろたえている

「良いんじゃない?はははっ・・・いやぁ・・・これだけ凄まじいと多分なんか厄介事が・・・来るだろね~」


宿屋で二部屋取り、花音とハルトは同じ部屋だ・・・

ルシフと之奈は別の部屋でくつろいでいるが、周りが可笑しい、世界が輝いているのだ


「どうしてこんな事が、幸せオーラ?気持ち悪いぞ!」

「この、幸せオーラを気持ち悪いと言うあんたに、嫌悪を感じるわ、溶解液浸かる?」

「うわっ・・・・」


部屋の端に逃げるルシフ


もちろん花音とハルトがいちゃいちゃしているから起こってる現象なのだろうが


宿屋を中心に浄化と治癒の魔法を広範囲に巻き散らかしているのだった。


「すさまじき、神と聖女の交わり!」

「俺まじで具合悪いんだけど」

「私もよ、ピリピリしてるわ!当たりまえでしょう?強力な浄化の魔法よ、魔物の私たちに影響無いわけないじゃない」

「!・・・もしかしてこの気だるさは」

「もうすぐHP;1ね」

「・・・・」

シルフは気絶した

「私も、眷族で無かったら消えてたかも・・・すさまじいわね王都に潜んでいた魔族数十体の気配と魔物の気配がきれいさっぱり消えているわ・・・ついでに王宮に居た偽物王女も消えてるわね・・・」


窓から外を眺めると人々の慌てる声がする。

「この宿だ!凄い!古傷が消えて行く!」


宿屋の前に数人の兵士が来ている


「聖女がさらわれたって聞いたけど本当に此処か?」

「さらって逃げずに王都にまだ居るなんてことあるのか?」

「でもこの奇跡の様な力、聖女以外では在りえないよな?」

「教皇が、探すなって何故だろう?覇気が無かったな、別人みたいだった、何かに怯えているような」


「・・・邪魔すると、神から悪魔に変わりそう」

(聖女が花音だって知った時のハルト・・・怖かった・・・)


「さすがに注意するかな?・・・いつもこの役、私だったな・・・・」




(さすがに前はそう言う行為は、して無かったら、部屋に突っ込んで行けたけど、せいぜいキス位だったから・・・今はそう言うわけにいかないよね・・・念話・・使えるかな?)


『ハルト!お取込み中悪いけど、私消えそうなんだけど!浄化の魔法止めてくれない?』


『・・・・・・は?邪魔すんな』


と言いながらすぐに魔法が収まって行った


『・・・・・・ありがと』



「はっ!・・・収まったか?」

ルシフが気が付いた


手をにぎにぎして感触を確認する之奈

「ちょっと感覚無くなって来てたから、やばかったわ」

「そっか・・・不死ではないんだったなお前・・・・」

「ルシフ!私は之奈!お前なんて言い方しないでよ」


宿のエントランスが騒がしい


「大丈夫か?騒がしいけど」

「大丈夫かな?もうすぐそれどころじゃ無くなるから」

「?」


「何の音だ?」

「町中の教会の鐘が鳴っているのよ」



外が騒がしく動く、何事かと宿に来ていた兵士達も外に出て行った


之奈も窓から外を眺める


<信託が下りました>

そらに薄らと可愛い女の子の映像が浮かび上がる


「あれは何だ?」

ルシフが驚いて声に出す。

「王国内唯一聖女に無体働かず大事にしていた、エレファンの街の教会に保護されている聖女よ」

「エレファン・・・・あの街も干渉できなくてイライラしてたんだよな・・・」

「・・・・ルシフが干渉できないように誰かがこの世界を救う為に動いてたみたいだってハルトが言ってたわ」

「!僕の世界に干渉していた神がいたってことか!?」

「そうね・・・始まるわよ」


空を指さす之奈



<神様からの信託です>


・私は新たにこの世界の神になったゼウスである。

・前の神の信託は全て白紙とする。


・命を粗末にしない事

・聖女・聖者は教会内に監禁を禁ず。

・聖女・聖者の教会への協力は本人の意思のみで他者からの干渉は受けない事とする。

・現教皇・神父、教会関係者の全任務を解除する。

・教皇、神父は新たに設ける水晶による審査に合格した者のみとする。

・犯罪者の魂に犯罪の痕跡を明記する、それを水晶で確認できる。

・水晶は各教会、街の入口である門に設置、10人以上の小さい集落にも全て設置する。

・教会は人々、亜人、魔人、含めすべての人の為に働く組織とする、差別は無い。

・教示を守るため、聖剣・聖盾・聖鎧・賢者・聖女・聖者の称号を持つものに加護を与える。

・>>>>>>>>


幾つもの教示が永遠と語られて行った。


教会や町の入口に、水晶の乗った台座が現れた、それは地面に固定され、動かすことは出来なかった。


そのごたごたに紛れてこっそり宿を引き払い旅路についた3人と1匹だった。


「ごめんね之奈・・・魔物に転生してるなんて知らなくて、いつもの幸奈だったから」

「ホントにもう~・・・やあね二人してつやつやな顔してさ!」

可愛く顔の前で手を合わせる花音を見て之奈が言った。


花音は髪と目の色を前世に近い色にしていた

「もともと、ハーフ顔だったからね色変えると花音になるね、不思議」

「魂の記憶が、見た目に出ることもあるからな」


幸せそうな二人を見ながら、溜め息をつく之奈

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