第11話;花音とハルト達

私とハルト、そして彰と花音は幼馴染だった。

優秀なハルトに引っ張られ、皆優秀と言われていた。

高校も皆で県有数の進学校に受かり、楽しい高校生活を送ろうと、皆期待していた最中、


花音が倒れた。


<骨肉種>

骨のガンだ・・・

ジュニアで好成績を残す短距離ランナーだった。


切断した足を見ながら毎日泣いていた花音、

転移が見つかってからは泣かなくなり、感情を表さなくなった。

ハルトに会うとき意外は・・・・


入学して、まもなく花音が入院して、殆ど付きっ切りで看病していたハルト

その甲斐なく、日に日にやつれていき、私たちや家族が見守る中・・・花音は息を引き取った。


それからハルトが可笑しかった

「おかしい、何故居ない?何処にいったんだ!」


何かを探してるようだった。

今なら分る、花音の魂を探していたんだ。


その後、母親も亡くなり、自暴自棄にならないか心配して、彰と二人でよくハルトの家に止まりに行ってた。


「本当に、之奈と彰には助けられたよ」


このレベリングの旅の途中、そうハルトが言ってくれた。

神でも感情のある魂、やはりきつかったそうだ。



「おい!いいのか?おっぱじめそうな勢いだぞ!」

そう足元のまだ回復してないルシフが言った。



「そうね・・・」

ため息をつきながら、之奈は二人に声を掛ける


「そういうのは此処から出て、二人になってからしてくれる?」


「あっ」

「きゃっ」


濃厚なキスをしていた二人、ベットに倒れそうになっていた。


「「ごめん」」

「いいわよ、外が騒がしくなってきたわよ」


花音の足枷を破壊してたので、気がついた教会の連中があわて始めたみたいだった。

二人は仮面をつける、ルシフはローブの中に回収して、花音にさっき目の前に置いた、ピンクのワンピースドレスを着せた。





教皇らは、教会警備兵を連れて聖女の部屋に入って来た。


「お前たち!何者だ!聖女をどうする気だ!」

「神に対するぼうとくだ!」

「天罰が下るぞ!」


神父や教会関係者がそんなことを言う


「聖女を食い物にして私腹を肥やしていた奴等がなに言っても説得力無いな」

「私は、もう貴方たちの言うことは聞きません、聞く必要がありません、彼らは村の人たちからの言葉を伝えに来てくれました。彼らと私は行きます」


天井から魔法が放たれた

炎がハルトを包む、不思議なことに、くっついている花音燃えてなかった。

「なかなか高度な魔法を使うな・・・」

「お返しだ」


ハルトの周りに氷柱が現れて、勢い欲天井に突き刺さる


「ぐえっ」

「ぎゃ」


人の声がすると、天井から血が滴り落ちた。

生き残った連中が天井から降りてくる、手には手裏剣みたいな武器、

飛んできた手裏剣はハルトの前に弾かれて突き刺さる。


ハルトが剣をストレージに仕舞う姿が目に入り、暗部の者たちは1歩ハルトから身を引いた。


その後も次々と魔法を放って来たがことごとく散らすハルト


「出番、無いなぁ・・・」

暇そうな之奈だった。


「凄い!」

目を輝かす花音

「惚れ直す?」

「うん!惚れ直した!」

「もっと凄いぞ!」

暗部の連中を、その場から動かずに屠って行く


二人のあまあまな雰囲気に之奈は呆れ顔


「・・・・やってろ!」

「いつもこんな感じだったのか?」

「そうなのよ・・・」

「お前は大丈夫なのか?嫉妬しないのか?」

「?何で嫉妬するのよ」

「え?ハルトのこと好きなんじゃ」

「?好きよ、幼馴染として、友人として、ハルトのことは、感覚的に弟みたいな感じ?」


「うわっち!」

「こぼれ魔法が」


「てっきりお前らがいい仲なんだと」

「違うわよ」


「痛い!」

「手裏剣飛んできたね」

「なんでお前平気?」

「え?防御があなたの100倍あるから?あんな手裏剣、刺さりもしないわよ私たちには」





『強い・・・』

暗部の連中はそう言って倒れていった。


「くそ!聖女を放せ!」


「と言われても、つかまえてなんか居ないぞ、どちらかと言えば俺が捕まってるんだが」

「もう離れないもん!」

とても嬉しそうで幸せそうにハルトにしがみつく、花音・・・

そして皆、聖女のその姿、顔に皆目を見開いた、とても可愛くて見とれる程だったのである。


「聖女様があんな顔を・・・可愛い・・・」

「あれは私のものだ」


「あー邪魔な感情だな・・・聖女に酷いことをした罪自分の体で償え」


ハルトが部屋に居る教会関係者全員に術をかける、魔法陣が広がり教皇らが光る


「あらまぁ・・・なにしたの?ハルト」

之奈がなんか笑いそうである


「欲を封印した」

「欲?」


「睡眠欲、食欲、性欲、金銭欲、優越感、支配欲」


「それって人間として・・・死んでない?」

「そうだな、苦痛、虚無感は残しとくそれと、生命欲、死んだらそれで終わりだからな」


「自分が何が悪かったのか、誰に対しどういう形で詫びるか、それによって元に戻すことも考えてやる」


ぼーとしている教会の面々、


「フロアヒール」


倒れている暗部の連中の傷を治して3人と1匹はその場から消えた。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る