完結していたはずの世界を変えてしまった勇者がいた。

姫古都

第1話

「「うおーー!!!」」


人々の歓声が響き渡る中、その勇者は自分の成し遂げた功績を称えてくれる異世界の人々に手を振っていた。


「ありがとう諸君!君達のおかげで俺は魔王を倒せた。この国は救われたのだ!!」


「勇者様!どうもありがとうございました。貴方のおかげでこの国が助かりました!お約束の通り、貴方を故郷に返して差し上げましょう。」


「ありがとう。女神フローラ!現実世界に帰ってもこの世界のことは忘れないよ…」


「さようなら!貴方の功績は永遠に語り継がれるでしょう。」




その後も勇者を称えるパーティーは国を挙げて三日三晩続くのだった…



☆ ――――――――――――――― ☆




勇者様!どうもありがとうございました。貴方のおかげでこの国が助かりました!お約束の通り、勇者様を故郷に返して差し上げましょう。…




う、うーん…


なんか声が聞こえる。


勇者?そんな異世界召喚みたいなことを言ってどうせまた俺の自分勝手な想像だろう。異世界に転移などファンタジーな夢を見るのはやめたんだ。



しかし、ココは何処だ?お城の様にシャンデリアが飾ってあり、細部まで装飾がほどこされている。本当に異世界みたいだな。




でも、今は本当に声がした。

すごい歓声が聞こえる。パーティーでもやっているのかな?



♢女神フローラ♢視点


はぁ、本当にありがとうございました、勇者様。この御恩は一生忘れません。

…よし!ジメジメするのは終わりにしてパーティーたのしむぞ〜!


そういうとフローラは広場に駆けだした。


☆*:..。.:*˚*・゜゜・*:.。..*:.。. .。.:*・


?、今ものすごい魔法の反応が…?

何処からだろう。このレベルはよっぽど強力な魔法陣を展開した反応なんだけど。この国にはこんな強力な魔法陣を展開できるのはお祖父様か国王しかいないのだけれど…。


検索スキルを使って見る。

魔法反応がある場所は…勇者召喚の間?! どうして?!


とりあえず勇者召喚の間に行く。

そこには強烈な普通の人間が見たら目が潰れるぐらいの魔法オーラを放ってる魔法陣が展開されていた。


そして、魔法陣の上に一人の少年がいた。


「どうしたんじゃ?!フローラ?!」


あ!お祖父様!

なんか強力な魔法反応があったから来て見たら…


「うむ。儂も反応に気づいて駆けつけて見たんじゃが…。むぅ?!」


どうかしましたか?


「フローラよ。お主はきずかなかったのか?魔法陣に座っているのは《勇・者・》じゃよ。」


勇者?!もうこの国は救われたのに…。

あ、そういえば前の勇者だけじゃ魔王討伐は難しいだろうからもう一人勇者を召喚しようとして準備してたんだけど、なんか意外と勇者が強かったから準備してたの忘れて放置しちゃったのよね。

あは?


「あは☆じゃないわい! 全く、勝手なことしおって。しかしなぜ急に召喚されたのじゃ?勇者召喚には使い魔召喚の何百倍もの膨大な魔力が必要じゃのに。」


お祖父様…そんな星つけていませんよ。

そういえば今日はサンライトムーンでしたよね?サンライトムーンの日は魔力が特に神聖な場所は一層高まるっという事を聞いたことがあります。


「まぁ、お主がしでかしたミスなのじゃから仮にも女神のお前ならなんとかできるじゃろ。頑張れ女神フローラ殿!フォフォフォ。」


あーあ。お祖父様行っちゃった。

自分のしでかしたミスは自分でなんとかしないとね!

よし!勇者と会話だ…


うわーん!!どうやって謝ろー?!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

完結していたはずの世界を変えてしまった勇者がいた。 姫古都 @1248562

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ