陽ノ下朱里と属性追加
「突然だけど、
ミド姉と行きつけの喫茶店にいたときのことだ。ウェイトレス姿の朱里に対して、ミド姉がそう尋ねると、朱里は苦笑いで答える。
「かけないですね。メガネよりもコンタクトの方が断然便利ですから」
「だけど、朱里ちゃんって高校の頃はずっとメガネかけていたじゃない?」
「
恥ずかしそうにミド姉を制止しようとする朱里。
「へぇ、朱里って高校の頃は常時メガネだったんだ」
「そうよ。悪い?」
「別に悪かないけど……。何でそんなに恥ずかしがってんの?」
「あたしにメガネなんて、似合わないからよ。顔が小さいからメガネの存在感が強すぎるし、それに加えて目立つ髪色のせいでメガネしてると主張しすぎな感じがするのよね」
「ふ~ん。そういうもんかな~?」
アニメでも金髪メガネキャラとかいると思うけどな~。そんなに気になるか?
「朱里ちゃんのメガネ姿、私は似合っていたと思うけどな~」
「そ、そうですか? あんまり自信ないですけど……」
と、ここで俺が一言。
「じゃあ、今かけてみたら?」
「はぁ!? ここで~!?」
「俺、お前のメガネかけてるところ見たことないし」
「なんであなたにわざわざ見せなきゃいけないのよ。別にそんなたいしたモノじゃないわよ」
「まぁまぁ、そう言わずに。私も久しぶりに朱里ちゃんのメガネ姿見てみたいな♪」
「えぇ~? 翠さんまで……」
俺とミド姉の懇願に負け、結局メガネをかけることになる朱里。更衣室からメガネのケースを持ってきて、俺たちを背にしてメガネをかけ、振り返る。
「ど、どうよ?」
赤に縁どられたメガネをかける朱里。不思議といつもに比べて知的さが増した気がする。それに何だか大人っぽさが出たような。朱里は気にしているけど、似合ってないなんてこと、全然ないんだけどな。
「朱里ちゃん、やっぱり似合ってるよ!」
「そ、そうですか? ありがとうございます」
「何だか大人っぽく見えるよ? こっちの方が朱里的にもいいんじゃないの?」
「大人っぽく見えるのは大変嬉しいけど、やっぱりコンタクトの方が便利だし、あたし自身もコンタクトを気に入っているのよね」
「ふ~ん。まぁ、俺もコンタクト姿の朱里の方が好きかな」
自分の感想を素直に口にすると、照れなのか少しだけ顔を赤くし、意外そうな顔でこちらを見る。
「あら? 珍しく意見が合ったわね。それはどうして?」
「だって、『金髪』、『ロリ』、『ツンデレ』、『メガネ』なんて属性が多すぎじゃん?」
「何の話よ!! ていうか、誰がロリだ!」
俺の頭にメガネケースが投げつけられ、見事クリーンヒットする。その痛さに、頭を抱えることになる俺なのであった。
ていうか、店員がメガネケースを投げるなよ!
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