第10話 幼馴染(1)

私とルイは、家が近く、両親の仲もよかったことから、よく遊んでいた。


「あはははっ!」

「楽しいね、ルイちゃん!」

「楽しい!」


「すみません、相楽さん…。

今日もまた遊んでもらって…」

「いえいえ、アヤミも楽しんでいるみたいですし、

大丈夫ですよ」

「お母さん!見て!」

アヤミはそう言って、母の元へ駆け寄る。

「あらあら、綺麗なお花ねぇ…!」

「アヤミちゃん、将来はお花屋さんになるのかな?」


「うん!お花屋さんになる!」

そう言って、母達を驚かせた事もあった。

「アヤミちゃーん!」

ルイの呼ぶ声が聞こえる。

「はーい!」

アヤミは返事をし、ルイの元に戻った。


「今から、おにごっこしようよ!」

「いいよ!じゃあ…、まずはルイちゃんが鬼!」

「わかった!」


私達はそうやって、空が茜色に染まるまで遊んだ。

「じゃあ、また学校でね!ばいばい、ルイちゃん!」

「うん!また明日ね!」


私達は、まだ気付いていなかった。


は、何時までも続かない事に。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る