009 - 銀河忍伝コスモニンジャー
時は西暦3千年、所は宇宙エド星系。
何がどうしてそうなった。
今じゃこの星系は、日本人が移民した所為で幕藩体制だった。
星空の下で、悪の笑いが木霊する。
この世の悪に泣く人の、怒り背負って成敗だ。
公儀隠密コスモニンジャー、呼ばれなくても参上!!
ここはエド星系の辺境、惑星サド。
幕府のロボット武家社会を支える3大レアメタルの一つ、サドガ二ウムの鉱山で
栄える星だ。
そんなサドにある、カポン♪ と鹿威しが鳴る庭園が綺麗な和風の屋敷。
サドの治安を司る代官屋敷であった。
その中の一室で向かい合うのは、野心家の悪代官と名高い太った老人ことサドの代官の
もう一人は、やせ細っているがいやらしい顔つきの悪徳商人のインゴット屋。
インゴット屋は、ロボット兵器開発や民間軍事会社を営む大企業だ。
裏では、海賊行為など悪逆非道を行っている。
そんな二人が密談と言えば、裏取引である。
「お代官様の大好きな黄金入りのお菓子でございます♪」
インゴット屋が差し出す菓子箱の中には金の延べ棒が3段重ね。
「インゴット屋、お主も悪よのう♪新型兵器の開発コンペの推薦、任せるが良い。」
にやりと笑う米駄衛門。
「いえいえ、お代官様にはかないません♪」
笑い返すインゴット屋、インゴット屋が新型兵器開発コンペに出て
星系の軍需産業を一手に担い米駄衛門が幕府を転覆すればこの世の終わり。
誰か?誰か?正義の人はいないのかっ!!
スパーン!!
突如悪代官と商人のいる部屋の戸が勢いよく開かれた!!
「な、何者じゃ!!」
そこに佇むは、黄色い忍者装束に黄色い星形の仮面を被った少年忍者!!
「そこまでだ、貴様らの悪行は公儀隠密が絶対に許さん!!」
少年忍者が叫ぶ。
「ええい、曲者め手打ちにしてくれる!!」
米駄衛門の、レーザーブレード抜刀術の一閃をバックステップで避けつつ癇癪玉を
ぶっぱなす少年忍者!!
パンパンパン!!っと破裂音と煙が部屋を包む。
「ええい、であえ!であえ!!」
米駄衛門が煙の中叫ぶが誰も出ない、煙が晴れるとそこには切り捨てられた
インゴット屋が転がっていた。
「インゴット屋は死んだか、自業自得だな。」
屋敷の塀の上で少年忍者、イエロースターこと
「若様、手下達は片づけました♪」
血染めのピンク色の忍者装束、ピンク色の仮面の豊満な女忍者のピンクスター
がテレポートで現れてはイエロースターの腕に抱きつく。
「・・・・え、ちょ、抱きつくな!!」
慌てふためくイエロースター、彼はピュアボーイだった。
「おのれ仲間がいたか、しかもリア充とは許せんロボで成敗してくれる!!」
米駄衛門、悪党は自分なのに棚上げし懐から印籠をとりだして天に掲げる。
幕府の偉い武士は、善悪を問わず巨大ロボットを拝領している。
すると、空が光り巨大な裃を付けた奉行型のロボットが飛んでくる。
屋敷の上で滞空する奉行ロボからのトラクタービームで米駄衛門が乗り込む。
そして、奉行ロボが着陸し屋敷が崩壊し煙が上がる煙が晴れると誰もいない。
「・・・・むむ、ロボを呼んだだけで殺してしまったか?」
訝しむ米駄衛門、だがそんなことはなかった。
満月をバックに黒い影が近付いてくる・・・・いや、それは巨大な忍者だ。
イエロースター達と同じく、金の星の仮面を被った巨大な金の忍者ロボットが
舞い降りるけど全然忍んでいない。
「コスモニンジャーただ今参上!!悪代官、邪場米駄衛門め!!
インゴット屋を利用しての幕府転覆など許さん!!」
ピンクスターが後ろ、イエロースターが前の複座型コクピットで叫ぶ。
忍者型ロボットの名はコスモニンジャー、宇宙の悪を断つ正義の忍者ロボットだ。
コスモニンジャーは50m、奉行ロボは30mとコスモニンジャーでかい。
「なに、その大きさは親藩級?」
米駄衛門驚く、ロボの大きさは身分の大きさで50mは将軍家の親族の証!!
「さあ若様、参りましょう♪えい、コスモサンダー!!」
「え、ピンク!!ちょ…勝手にやらないで!!」
ピンクスターがコントロールを握ると、コスモニンジャーが印を結ぶ。
すると奉行ロボの頭上に黒雲が立ち込め、落雷がズドンと放たれる!!
「あばばばばば!!」
ロボの中にも伝わる電流に米駄衛門が苦しむ。
「・・・・さ、止めですよ若様♪
相棒のピンクスターにロボットのコントロールを握られっぱなしだが
ロボットが、虚空から出てきた巨大な刀を手に持つとようやくイエロースターこと
太助にコントロールが渡る。
「やっとか、行くぜ断罪刀・鶴翼斬りっ!!」
敵の奉行ロボが動けないのを幸いに、必殺武器の断罪刀が光を放ち
コスモニンジャー踏み込みながら奉行ロボの胴体を開いたVの字に叩き斬る!!
コスモニンジャーの背後で奉行ロボが大爆発を起こすと同時に、コスモニンジャーも飛び去った。
後日、どこかの星にある隠れ里。
明るく晴れた日差しの中、広い屋敷の縁側でイエロースターこと星飛太助は
愛らしい素顔に浴衣姿で膝枕をされていた。
彼を膝枕しているのは長い紫色の姫カット、スラリとした肢体に豊満な胸を
割烹着に包んだ美しい女性。
彼女こそが屋敷の真の主、太助の妻であるピンクスターこと
星飛家は公儀隠密として代々幕府を守り悪を討つ忍者の一族、太助は将軍の
ご落胤だが幼くして星飛家にコスモニンジャーと共に婿入りさせられた少年だった。
桃花さん、この年下の婿にぞっこんでヤンデレである。
「此度のお仕事もがんばりましたね若様♪」
「いや、ほとんど桃花さんでは?」
太助は少し年上の妻が好きだが、少し怖かった。
「内助の功です♪さあ、次の仕事まで楽しく暮らしましょう♪」
桃花にお姫様抱っこされて、太助は屋敷の奥へと連れて行かれたのであった。
NEXT……010 - 「レゾンデートル ―1人と1機、人類史最後の決闘―」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054885440692/episodes/1177354054885456300
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます