第4話 イラストが届きました

 打ち合わせで11月~にイラストレーター様の候補を提案しますとのお話がありました。担当様から提示されたのは、電撃文庫『なれる!SE』シリーズなどのイラストで人気のIxy様でした。

 以前から御名前は存じ上げていたのですが、改めてサンプルのイラストを見せていただき、「ふんわりとした表情を上手に描く人だなー」と半ば一目惚れ状態でした。すごくいい絵を描かれるんですよ!

 そしてキャラ設定書なるものを作成して行きます。具体的には、主人公は背格好こんな感じで、髪と目は黒で・・・・・・などなど、指定項目を埋めていきました。

 完全にお任せというのもありましたが、せっかくの機会ですし、何より自分の作品です、多少の無茶ぶりもいれつつ送った設定書。

 キャラクターのラフ画が戻ってきた時には思わず驚きの声が出ました。今まで頭の中にぼんやりとしかいなかった、それこそ影絵みたいな感じだったキャラクターたちが形を得て生き生きと動き始めたのです。

 担当さん猛プッシュのヒロイン:バルドさんに至っては、もうズキューンとなりました。頭悪い表現ですいません(笑)


 さて、ここまでが前置きで、前回の引きの続きに入ります。

 ラストシーンの盛り上がりがいまいち、とのご指摘をいただいていました。しかも真ん中らへんから後半にかけてごっそり書き直したため、ラストシーンにイメージしていたキャラクターが使えなくなったのです。

 ああでもない、こうでもない、書いては消し書いては消し、年末年始進行で本業も忙しく、疲れて考えがまとまらない。イヤーなスパイラルに陥りつつありました。

 ここでうっかりしていたのですが、目安の締め切りを1日過ぎてしまい、担当様から大丈夫ですか? とご心配をかけてしまったとか、曲がりなりにもプロ失格である不始末。

 それと前後して表紙のラフ画をいただきました。最初の打ち合わせ時の表紙イメージからちょっとデザインが変更されています。イラストレーターのIxy様がこうしたら面白いのではないかと構図を大胆に変更する提案をしてくださり、絵心皆無な私としてもより良くなるのではと思い、「それでよろしくお願いします」とお戻ししておりました。結果的にはそれが良かったと今も思っています。


 表紙ラフはイメージを掴むためのレイアウトに近いものだったんですが、大きく描かれているバルドさんの微笑みがとても刺さりました。

すごく自然な感じで、ゆったりと笑ってるように見えて、こんな表情を浮かべるバルドさんのシーンってどういうシーンだろう?

 そうすると、今まで悩んでいたラストシーンがするするっと思い浮かんだのです。今までいろんなシーン書いてきましたが、会心の出来と言っても過言ではないです!

 しかも、今回はラストシーンにあわせて美麗な挿絵イラストも描いていただき、いろいろと思い出に残るシーンになりました。

 ここで原稿作成は完了……そう思っていた時期もありました。ここから校正編に入るのです。

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