第3話 書籍化作業の開始
具体的にどんなことをしているんだろうと疑問に思われている人も多いと思うので、ざっくりと流れを。ただし、これは編集さんによって違う可能性がありますので、私の場合ということを踏まえていただきますようお願いします。
まずは改稿方針を決めます。Webの内容そのままで出すわけにもいかず、誤字脱字や、話の内容に矛盾があったりします。実際大量に出ました。ええ、ぼろぼろと。
先日話した内容にそって、Web版の原稿を編集さんに送り、まずチェックをしていただくことになります。その間に加筆部分の準備、アイディアをまとめていました。最初は緩やかな流れで、実際に原稿に本格的に手を入れるまで1か月ほどありました。
ただし、これはレーベルの関係上時間に余裕があったためで、場合によってはもっとかっ詰まる可能性もあります。
後は電話やメールで打ち合わせを重ねました。このへんで作品の方向性を固めます。ここで、いろいろと描写をすっ飛ばしていた点を指摘され、なるほどとうなずきながらメモを取り、どこにどうエピソードを入れるかを考えました。
コンビニという舞台装置をもっと生かさないともったいない! これに尽きました。実際Web版では後半これなんの話なの? というレベルで迷走します。詳しくは実際に読んでいただけたら幸いです(宣伝
あとは、ヒロインのテコ入れで、なぜ主人公に好意を抱くに至ったのか、どのような背景があったのか、いつの間にかくっついている感が否めないと。
いろいろと話をしていくうちに、ぼんやりとしたイメージで書いていた話に、どんどんと肉付けがされ、具体的なシーンが浮かんできて、元の話にエピソードを追加したり、シーンを追加したりと、開港というか加筆作業は順調に進んでいきました。
そしてひとまず、第一稿を提出し、しばらくすると……再び電話で打ち合わせ。
「どうも、原稿拝見しました」
「はい、ありがとうございます。どんな感じでしょうか?」
「そうですね……非常に面白いんですが、ちょっと詰め込みすぎかもしれません」
この時点でダンジョンからあふれた魔物を討伐し、浮遊城が降ってきてドラゴンを撃退し、さらにヴァラキアまで遠征して領地を立て直して支店開設までという内容だった。
「山場になるイベントを絞りましょう。浮遊城とかもっと大きく扱った方が面白いと思います。それは2巻以降で」
さすがにこのセリフで2巻確約と思うほどおめでたくはないが、シリーズを続けていける希望的なものは持つことができた。もっと面白くすれば、売れて続刊を出せる!
当たり前と言えば当たり前の話だけど、それが現実的に見えた気がしてモチベーションが再び点火した。
そこで示された内容。巻末にまとめていた別視点の話は小分けにして、各エピソードの区切りに挿入。浮遊城から遠征までの話はばっさりカット、もっとシーンの書き込みを強化しましょうと言うことだった。
ここで、再び全体の3割ほどを書き直しとなるが、さっき浮上したモチベーションはそんなことはものともせず、「やります!」と力強く答える。
出発直前をラストシーンとすることにして再び大幅な改稿をする。そしてここで、人生初めてのスランプに陥るのだった。
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