第五十話 ボス戦4 

「おい! 何なの!? あれ?」

「ケインソード」

「ケインソード?」

「産業革命時代にあったイギリスの紳士の武器だ。見分けがつかず、その当時の警察さえも見抜けなかったらしい。見た感じ、鎌状タイプと短刀タイプらしいな」

「昔、そんなのがあったのね」


 エレン、ミヤ、カリーヌが、ケインソードについて話してると、アクアマリンが、エレノアに襲いかかる!エレノアは、槍で何とか防御するが、足元をすくわれ、ダウンしてしまう。

 マイケルが、すぐさま追撃を阻止しようとするが、反撃にあってしまう。


炎の十字架レッドクロス!」

「アクアアロー!」


 エレンとセレンが、火と水の魔術を繰り出すが、アクアマリンによって阻止される。


氷の盾アイスシールド。 なんだ、アーサーの血を受け継ぐお前たちの力は、こんなものか? これじゃ、真実を知る資格が無いな」

「ふざけやがって! 地の雨ストーンレイン

「おっと! そんな拳の雨では、勝てないぞ。谷村寛二」

「なら、これならどうだい? 氷山連撃斬!」

「遅い」

「ぐぅ!」

「シュテル!」


 シュテルが、氷山の崩壊の如く、強力な氷属性の縦斬りを繰り出すが、アクアマリンの短刀タイプで左腕を負傷してしまう。

 カリーヌが、炎の雨を降らせるが、あっさりかわされてしまう。


「くらいなさい! クロスグリーン!」

「これなら、どうです? グリーンエッジ!」

「つまらない」

「「うわぁ!」」


 マイケルとエレノアが、風の魔術を繰り出すが、切り裂いたうえに跳ね返されて、自分らがダメージを受けてしまう。

 この後も、さまざまな方法で試してみるが、跳ね返されて、ガードされたりと、一方的にダメージを受けしまうばかりである。


 ダウンしてしまうシュテル達、アクアマリンは、余裕の態度をしている。


「どうした? お前らの力は、この程度か? 『アーサーの眼』でやっても無駄だぞ?」

「くそ! どうすればいい?」

「フェイントをかけて攻撃しても、反撃される! どうしたら!?」

「でも、なにか方法があるはずよ! 諦めないで!」


 このままでは、やられる!何か方法がないか探っていたその時!好機が訪れる!

 ミヤの持ち物からあるものがポロっと落ちる!それは、非殺傷用のスタンガンの銃タイプだ。ミヤは、瞬時に攻撃する!


「これなら、どう? アクアマリン!」

「! それは!」


 アクアマリンは、スタンガンに気付くが、時すでに遅し。ミヤの放った雷の弾丸が、彼女の腹に命中!痺れて動けなくなる!


「今だ! みんな! 攻撃だ!」


 ミヤの号令にシュテル達の猛攻撃が始まる!


青の鳳凰ブルーフェニックス!」

「バーニングラッシュ!」

地の一閃ストーンシンプル!」

地の雨ストーンレイン!」

嵐の連撃サイクロンラッシュ!」

 

 セレン達の攻撃にダメージが蓄積し、ダウン寸前のアクアマリンの姿を見て、カリーヌがシュテルにトドメの一発をお願いする!


「シュテル! 今よ!」

「任せろ!」


 シュテルが、アクアマリンに渾身の一発を繰り出す!


「これで、終わりだ! 青の騎士王サファイアアーサー!」


 シュテルのとてつもなく大きな青き炎が、アクアマリンに放たれる!

 

「ぐあああー!」

 

 アクアマリンは、炎に包まれた後、膝、両手を地面について倒れた。シュテル達は、息を切らし、何とか勝ったと一息つく。 

 

「さすがだ。……アーサーの血を受け継ぐ者達よ。資格は、得たな」「教えてくれ。50とは、何だ? なぜ、あの燃えてるホテルような出来事とは?」  


 アクアマリンは、なんとか立ち上がり、シュテルの問いに答える。


「我々は、が無ければ、今の私らは、存在しないうえに、こんな若さを保てる訳が無い」

「何!?」

「じゃ、あんた! 五十年以上も生きてるの!?」

「そうだ。あの聖女マリアに命を与えてくれた。本当なら、あのまま、私ら、6人とも一生年を取り、人間として死ねたのに。だが、全てを奪われ、あの日を境にチャンスを捉えた。いつか地獄に落とすと。そして、その時が訪れ、が迫る」

「どういう意味だ?」

「それを調べる資格を得たのだ。谷村寛二。だから、自力で調べて知って欲しいのだ。私らの六人のを」


  アクアマリンは、立ち上がり反対方向へ立ち去ろうとすると、シュテルが、呼び止める。

 

「待て! せめて、ヒントだけ教えてくれ!」

「ヒントか。……『六真町ろくしんちょう』だ。それで、掴んでくれ。またな」


 アクアマリンは、再び、歩き出し消えていった。


「聞いたことがないわね。その町の名前」

「でも、その町が何か関係があると言っていた」

「それに、最初のアクアマリンの悲しい表情は、何か事件があったのね」

「また、謎が出たな。混乱するぜ」

「とにかく、急ごう。目撃されたら、まずい」


 シュテルたちは、急いで黒ワゴンへ急ぐ。はたして、その町とサファイア達と何の関係があるのだろうか?

 



 第六章 アクアマリン 終

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