第四十六話 2人の妹は、水泳で
臨時休校が終わり、学校が始まった。シュテルたちのクラスルームに、羽川がエレンとミヤを今日から転入すると伝えた
「初めまして。俺は、エレン・マルース。カリーヌ・マルースの兄だ。よろしくな!」
「そして、俺はミヤ・キャロル。エリー・キャロルの兄だよ! よろしくね!」
二人は、挨拶するとクラスメート全員が歓声を上げる。
「おー! すげぇ! 格好いいぜ!」
「まさしく
「かっこ良すぎて死んじゃうわ!」
「はい。それでは、エレン君とミヤ君は、それぞれ谷村君とマイケル君の横に座ってね」
羽川の指示に従い、指定された席に座ると早速授業が始まる。
「えーと! この式のxの範囲は? エレンさん」
「はい! 二から五です」
「正解です!」
1時間目は、数理系学。2時間目は、銃撃戦術。3時間目は、社会歴史倫理学へと、かなり高度なものだった。
しかし、シュテルたちの変身して手に入れた明晰な頭脳で、何も苦に思わずところが楽しくて仕方なかった。
水泳の授業で
場の空気が悪いまま行っていくなか、シュテルたちはターゲットとなる二人を探した。
カリーヌからシュテルにアイコンタクトで知らせた。水泳の授業が終わり一日の学園の授業が終了。学園ではシュテルたちだけになり、水泳場の裏側に集まった。
「よし、誰も見られてはないな?」
「もちろんさ」
「でも、面白かったね! エレンとミヤとして生まれ変わった俺らを見て、目の色変えたからな」
「本当だね。
「それは、さておき。説明するぞ。シュテル、マイケル」
「はい」
「俺は、とりあえず二人に『シュテルとマイケルが、お前らを代表者として伝言係になってもらうから、水泳場の
「うん」
「そこで来たら、二人を告白と称し、魅力する。それぞれ、眠っている遺伝子を呼び覚まし、ドクンと心臓が鳴りながら瞳が青と緑に光る。そして」
「僕とシュテルさんが、唱えるんですね」
寛二は強くうなづいて、カリーヌとエリーはそれぞれシュテルとマイケルを応援した。
「シュテル、頑張ってね」
「ありがとう」
「マイケル。君なら出来るわ!」
「ありがとうございます。エリーさん」
夕方六時。男子更衣室にてシュテルとマイケルが壁にもたれて待っていた。
「来ますかね?」
「もちろんさ。最低なことを言いたくないが、僕達は、
2人が会話していると、ターゲットとなる二人が入ってきた。彼女らの姿は、かつてのカリーヌとエリーのかつて連想させる。
「来ました。シュテル様、マイケル様」
「伝言とは、何でしょうか?」
「ゆっくりしたい時にすまないね。実は、伝言の他に、僕とマイケルが、君たち2人だけに伝えたい事があってね」
「え?」
「その前に代表者としての君たちに伝えることだ」
「はい」
「あぁ、僕らと君らのトラブルについてだ。この学園を作ったのは、僕の曾祖父であるのは知ってるよね?」
「はい」
「曽祖父が作った制度のせいで、差別やイジメが横行している。僕とマイケルは、変えようと努力したが、他の同ランクの者たちの関係があってね、変えれなかった。その件に関しては、僕とマイケルを代表して、ホントにすまない」
シュテルとマイケルは、深々と頭を下げ謝罪した。
「だから、これからは、帰るルートなどを制定しようと思う」
「制定ですか?」
「はい。僕とシュテルさんの信頼できる仲間だけで考えた制定です。これを、貴方達にだけ渡してほしい」
「そして、他の
シュテルは持ってきたバックの中から『トラブル回避防止制定』と書かれた分厚い本を渡された。
「ありがとうございます」
「あぁ、それと、君たちだけに伝えたいことだ。それはな」
「はい」
「僕とマイケルは、君たちのことが好きになった」
「「え!」」
シュテルとマイケルは上半身裸になり、とても美しい
「す、すごい!」
「格好いい! 綺麗だ」
「そうかい? ありがとう」
「まぁ、日頃鍛えてますから」
シュテルとマイケルの体に魅力される二人。すると彼女らの心臓が鼓動を始め、瞳がそれぞれ、青と緑に光り出した。
(来たな)
「どうしましたか?」
「いや、なんか懐かしい感じがして、シュテル様の妹だったような」
「私は、マイケル様の妹だったような気がします」
「ウフフ、そうですか」
シュテルとマイケルはトドメと言わんばかりに、青く瞳が光っている左の彼女をシュテルが、緑に瞳が光っている右の彼女をマイケルが抱き、甘い声で囁いた。
「そうですよ。貴方は、僕の妹。エレノア・ルインですから」
「エレノア……ルイン! 私のホントの……名前!」
「そして、君は、僕の妹。セレン・アルフォードですから」
「セレン……アルフォード!」
名前を聞いた瞬間、心臓の鼓動がとてつもなく激しくなり、彼女たちからそれぞれ青と緑のオーラが激しく立ち上る!
「「あぁーーー!」」
彼女らの体に変化が始まる。かつてのカリーヌとエリーが、今のような同レベルの美しい姿になっていく
一時間後、偽物であるシュテルの執事とマイケルの執事がこの水泳場に来た。
「ここで、あってるのですか?」
「あぁ! ターゲットがここに来るという情報を手に入れたからなぁ! 早く始末するぞ! さもなくば、あの方達に!」
二人は、
「シュテル様!」
「どうしたんだい? そんなに慌てて?」
「実は、暗殺しようとする人間の情報を手に入りまして」
「そうですか」
「で、彼女らは?」
「それって、私達のことかしら?」
「「ひっ!」」
「あら? 怖いのですか?」
偽物らがそっと振り返ると、そこには、ショートヘアーの銀髪に青い瞳の美少女と黒髪のロングヘアに緑の瞳の美少女がいた。
「手遅れ……か」
「そうだよ、偽物君。まさか、上の執事なんてね」
「え? どうしてそれを!?」
「それは、言えませんよ。秘密事項ですから」
すると、シュテルとセレンの瞳が青く光り、マイケルとエレノアの瞳が緑に光る。
「君達の知ってる情報を教えてもおうかな?」
「そうですね、シュテルさん。それと、抵抗しようとしても駄目ですよ。抵抗したら」
「痛めつけてやるわよ?」
「覚悟してくださいね?」
「「ひぃーー!」」
偽物2人は、悲鳴を上げながらも戦闘準備を整える。それを見た四人は、やれやれと思いながらも、痛い目に遭わせることにした。
勝つことは不可能。何故なら、シュテルたちは神に近い騎士なのだから。
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