第四十二話 ボス戦3 

「はぁーー!」


 川田かのじょは日本刀で十字切りを繰り出した。二人は上手くかわすが、斬られた後ろのテーブルは木っ端微塵になっていた。


「なんて、威力だ!」

「シュテル! あんなの受けたら死ぬぞ!」

「そうだな。川田は刀の使い手なのか?」

「奴は代々受け継ぐ川田剣術の宗家だからな。気をつけろよ」


 シュテルは、自分の武器である剣で応戦する。


青心斬せいしんざん!」

「甘いわよ!」


 シュテルはアルフォード剣術の居合い斬り技で攻撃するが、彼女にあっさりかわされる!

 続いて、格闘タイプである谷村が回し蹴りを多用した攻撃をするも、かわされてしまう。

 これを好機とみたのかシュテルと谷村の右腹を斬った!


攻後深腹剣こうごしんぷくけん!」

「「ぐわ!」」


 二人は右腹に傷を負ってしまい、吐血した。


「くそ! なんて技だ!」

「まさか、お得意の技が出るとはな」

「お得意の技だと?」

「奴の剣術の特徴は、カウンター技かつ相手の攻撃直後を狙ってくる傾向が多い」

「それは、厄介だな。どうすれば」


 彼女は二人の様子に笑みを浮かべ、つかさず、攻撃を仕掛ける!


炎刀朱雀えんとうすざく!」


 縦斬りの炎属性の技で襲い掛かる。

 シュテルと谷村は回避して攻撃を仕掛ける!


氷の真髄斬りフリーズクリティカル!」

地の一閃ストーンシンプル!」

 

 シュテルは上から飛んで氷属性の縦斬り。谷村は下からの地属性のアッパーをかけるが、読まれていたのかカウンターを受けてしまう。


下撃沈静しんげきちんせい!」

「うわ!」

上撃圧斬じょうげきあっざん!」

「ぐわぁー!」


 彼女の攻撃を受けて、さらに吐血しダウンしてしまう。森本は、ステージの上で笑いながらくつろいでいた。

 

「凄いだろ!? この薬の力は!? こんなに超人になるとは! こりゃ良いデータが取れそうだ!」

「くそ、笑いやがって!」

「落ち着け、谷村君。しかし、どうすれば。居合い斬りでも、上からも下からもカウンターで返される! これじゃ、右も左も同じ結果だな。手数の多い攻撃でも」

?」


 これを聞いた谷村は何かを思い出したようだ。


「そういえば、俺たちのの攻撃を奴はカウンターで返しただろ? 思い出したんだが、奴のカウンターの特徴は、全てそれに対応したものなんだ」

「なんだと!?」

「動きの細かい攻撃に対してのカウンター攻撃は存在していないんだ。その場合、必ずカードをする」

「要するに、スピードタイプが弱点!」

「そういうことだ!


 二人は正反対の攻撃で反撃を試みる。


青嵐斬せいらんざん!」

地の豪雨ストーンラッシュ!」


 シュテルは、左手で嵐の如く剣で回転しながら斬り、谷村は、素早いパンチを繰り出した!


「がぁー!」

青龍の滝サファイアドラゴンスプラッシュ!」

大地の槍フィールドスピア!」


 さらなる猛追に彼女は悲鳴が上げた!


「あぁー!」

「シュテル! ドドメ行くぞ!」

「あぁ!」


 二人は、猛スピードで彼女の顔面に目がけてパンチする!


「「これで終わりだぁー!」」

「ぎゃー!」


 吹き飛ばされ、ステージの壁にぶつかると、うつ伏せになって倒れた。


「そ、そんなぁ……申し訳ありません」


 森本は拍手した。シュテルと谷村は、その態度に怒りが込み上がる!


「森本、貴様!」

「ほぉー! お見事だ。やっぱ、こうでないと戦いは面白くないな。まぁ、今回のデータはよっぽどの価値になるな」

「今度は、てめぇだぁ! あの世で送ってやる!」

「落ち着け、谷村。体力を消費した状態で戦えるのか? お手合わせするのは、早いと思うぜ」

「……分かった。今回は、見逃してやる」

「助かるよ、シュテル。それでは、ご機嫌よう」


 森本は不気味の笑顔で言いながら、舞台袖の奥へと消えていった。


「川田」

「谷村君、気持ちは分かるが、今は『アルティメットアーサーハウス』に戻ろう。もしかしたら、警察来るかもしれない」

「……そうだな」


 二人は、カリーヌたちの待つ『アルティメットアーサーハウス』へ向かう。






 

 

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