第二章 青の貴公子

第四話 新たな学園生活

 二〇一八年四月一日。アルフォード学園の入学式が執り行われた。最前列に座っている青の貴公子サファイアオブプリンス、シュテル・アルフォードとして生まれ変わった中山は、謎の男によって作られた存在で学園長のシュテルの父、ダイル・アルフォードの激励の言葉を聞いていた。


 そして、入学式を終えた後、財閥階級プラチナランクのとあるクラスルームに一人の大人が入ってきた。シュテル達を担任する銃撃戦術の先生だ。

「はーい! これから、担任する羽川恵子と言います! 貴方達を一人前の騎士として育てるため、しっかりと、サポートします!」

(どうしてだ? 彼から視線が……確か、谷村寛二だったな)

 シュテル・アルフォードは、後ろの席に座っている茶髪の男から視線を浴びせられていた。

 彼は宝石業界で知らぬ者は居ないと言われるほど、有名な財閥谷村家の御曹司だ。

「シュテル君!」

「はい、どうし……!?」

 シュテルは、声を掛けた隣の席に座っている女子を見て動揺した。視線の先にいるのは、彼をいじめた財閥階級プラチナのカリーヌだったからだ。

 彼女にキラキラした目でシュテルを見られているシュテルは、「アハハ……」と愛想笑いをした。

「よろしくね、シュテル君! 父から君のことを聞いているよ! 私と貴方の家系は、友好関係だってね? 本当、昨日まで知らなかったよ」

(は? 友好関係?)

「シュテル?」

 カリーヌが不思議そうな顔して見ているので彼は、上手くごまかす。

「そうか、実は僕も同じだよ」

「えー!? 本当!?」

(友好関係ってこれも契約の力か?)

「さて、では早速……」

「ちょっとその前に」

 羽川が学校の説明する前に谷村が止めた。

「最近、中流階級以下奴ら財閥階級俺達を潰そうと反乱を起こすという情報を聞いたのだが本当か? 先生?」

「反乱? さぁ? そんな情報は、初めて聞きましたね?」

「とぼけんなぁ! 先生! あんたら教員部プロフェッショナルに、その情報が、とっくに入っているだろうがぁ! もちろん、何らかの対策を練っているんだろ? それに、2を潰そうと企んでいそうだしな……」

(勘弁してくれよ)

 シュテルは、彼からの強い視線に浴びせられ途方に暮れた。

か……あの野郎、2人が何かしたのか?」

「それに、一番だと勘違いしているからね」

「嘘だといいのだかな」

「はいはい! もう良いかな? では、説明するよ!」

 羽川は、ざわめきだすクラスメイトらを静かにさせて学校の説明をした。

 まず騎士科目アーサーカリキュラムとは、普通の学校でいう教科である。

 世界中の文学、熟語などを教える現代文学。日本のみならず古代の文字、書物などを解読する古代言語学。 

 研究者、学者レベルの数学と理科が融合した数理学。世界中の歴史、地理、政治、倫理が融合した社会歴史倫理学。

 拳銃を使った魔術の立ち回りなどを身につける銃撃戦術、剣を使った魔術の立ち回りなどを身につける剣魔導戦術といったものがある。


 その後、行事等を説明し今日の学校は午前九時半で終了した。授業開始は明明後日からだ。シュテルは、席を立つとカリーヌに肩を叩かれた。

「シュテル君! 明日、デートしない?」

「えぇ?」

 シュテルは、少し驚いた。まさか、いじめられた彼女からデートの誘いが来るとは思いもよらなかったからだ。

(仕方ない……二日間、財閥階級プラチナランクエリアの中でゆっくりしたいところだが、こんな綺麗な女の子とデートしたこと無いから、受けやるか!)

「良いよ! ちょうど僕もそう考えていたのだよ」

 シュテルは、彼女からの誘いに承諾した。

「やったー! じゃ、明日午前八時半、共通エリアのレジャー施設アクアマリンの南口で待ってるよ!」

 カリーヌは、ルンルンしながら帰って行った。

「なんだ、明るい部分が目立った良い子じゃないか、差別する癖が無かったら最高なのにな」

 シュテルは、彼女の姿を見ると笑みを浮かべ、自分の生活地域へと帰る。

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