第44話 『ピアノ協奏曲』 トゥービン
エストニア出身の大作曲家、エドゥアルド・トゥービン先生(1905~1982)は、活躍の舞台は大体スウェーデンだったようです。
完成された交響曲は10曲あり、すべてCDになっております。
このピアノ協奏曲は、1944年から1945年にかけて作曲されたようです。
三楽章形式で、演奏時間は20分ほどなので、聞くには手ごろなサイズです。
第1楽章は、全体的にどかっと来る音楽でありまして、モダン過ぎず、と言ってロマンチックと言うわけでもなく、プロコフィエフ先生っぽい感触もいくらか感じられますが、中弛みしない引き締まったボディの音楽で、感傷的な音楽ではありません。
独特の不気味感と緊張感があり、緻密に作られているのは、たぶん、トゥービン先生らしいところ。
渋いと言えば、大変渋いんですけれども。
第2楽章は、神秘的な音楽です。
『・・・森の入口から、はるかに歩いた、人知れずにどんみりと空いた洞窟の、さらに奥深い場所に眠る、幻の秘境がありましたのです。・・・・・・』
と、言う感じ。
突然、何者かに襲われるように、第3楽章が始まります。
これも、ピアノを打楽器的に扱うところには、プロコフィエフ先生の影があるかもしれません。
しかし、独特の深い暗い神秘的な雰囲気は、やはりトゥービン先生の個性でしょう。
終末近くで大変盛り上がるのは、チャイコ先生や、ラフマニノフ先生の方式に少し習ったのかもしれません。
でも、一旦沈み込んでから、ブギゃん❗と終わります。
大衆受けする音楽ではないでしょうけれど、なかなか、苦みばしった、カッコいい協奏曲です。
・・・・・そと 👔👔👔 うつ・・・・・
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