第37話 『シンフォニエッタ』 ヤナーチェク
後半生のお写真を見たら、その瞬間にやましんは100メートルは後方に逃げ去ってしまうくらい、恐ろしいお顔なのです。
あえて言えば、仁王様のお顔に似ていらっしゃいます。
実際のところ、大変情の深い方である一方で、短気で怒りっぽかったようです。
ヤナーチェク先生は(1854~1928 チェコ モラヴィア)、今でこそ大作曲家として認識されていますが、御存命中は、成功を得るまでには、けっこう大変だったようです。
作品の中核は、オペラなのだと思いますが、大変民族的な深い趣があり、なかなか外国で受け入れるのは時間がかかったようです。(プラハでも、けっこう難しかったらしいですが。)
『利口な女狐の物語』とか『イエヌーファ』とか『カーチャ・カバノヴァー』『マクロプロス事件』などなど・・・
しかし、日本で圧倒的に有名なのは、この『シンフォニエッタ』でしょうか。
この分野での作品は、これだけだ、という希少性があり、初演が1926年で、すでに72歳になるという、作曲家としてはかなり高齢期の作品なんですが、枯れた味わいじゃなくて、非常に華々しくも、ちょっとワイルドで、若々しい格好いい音楽であります。
まだまだ元気だった証拠でしょう。
全5楽章ですが、各楽章自体があまり長くないので、全体でも25分くらいですから、独特の民族音楽色ともども、何かと忙しい日本人には、面白くて、むしろ聴きやすいと思います。
ちょっと、シベ先生の『クレルヴォ』に見られるモティ-フに似たものが出てくるところもありますが、これは『ヴァイオリン協奏曲』にも見られます。
民族音楽的な出どころがありそうですが、深いどこかでつながってるのかどうかはわかりません。
この曲が気に入ったら、『グラゴル・ミサ』なども、ぜひどうぞ。
こちらはさらに翌年、1927年の初演。
晩年に至って、ばんばん、活動していたことがわかります。
高齢者の模範のような、すごい人だったわけです。
奥さんを脇に置いて、他の女性を大事にしていたというあたりは、あまり模範にしないほうが、無難でしょうけれど、他人が突っ込むお話でもないでしょう。
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