第21話 『山賊の娘ローニャ』 ユッカ・リンコラ
『ローニャ』?
どっかで聞いたような・・・・・・
そうなのです。
でも、これは、アニメじゃなくて、バレー音楽であります。
原作は、スウェーデンの作家、アストリッド・リンドグレンさまによる児童文学作品。
ユッカ・リンコラさま(1955~)は、フィンランドの作曲家。
ジャズの作曲家やピアニストとしては、フィンランド第1級の存在と言います。
しかし、クラシック音楽の分野での活躍も目覚ましく、とくに管楽器の協奏曲方面に非常に強い方です。
サクソフォーンの協奏曲『クロッシングス』、トランペットの協奏曲『第1番、第2番』、『テューバ協奏曲』とか『ユーフォニアム協奏曲』もあるとのこと。
しかし、この方の最大の作品として知られるのが、この『山賊(盗賊)の娘ローニャ』でありまして、1989年に完成したバレー音楽とのこと。
CDにして2枚分かかる、上演時間も、約1時間半の大作。(CD全曲は、フィンランディアレーベルから出ていました。(FACD207)
女声のソロも入って来る、ちょっと珍しいバレー音楽で、始まった直後、突然なんだかサイレンのようなおうたが聞こえてくるのでびっくりするのです。
これは、お母さんのロヴィーサさんが出産するときに、まず歌われる『狼の歌』というお歌で、全編に4回出てくるとか。やましんは、回数は数えてませんけれどね。
出産時の苦しみを現すように、まず歌われると言うことでしょう。
それで、ああした歌い方になっているわけですか。
アニメにも、そのシーンがあったような気がします。
ジャズの要素もあるようですし、ストラヴィンスキーさまの『春の祭典』の影響やら、プロコフィエフさま、またショスタコーヴィチさまの響きに似た感じのところもあります。
こうしたことは、時代的に見て、きっと意識的にやってるんじゃないかと思います。
ときに、『ユーフォニウム協奏曲』は、かなり大作ですが、面白いです。
あの楽器を抱えて30分以上、吹きまくるので、なかなか体力も要りそうですが。
「クラシク(くらしっく)よりはジャズだぜ!」
という方にも、気に入っていただけるかもしれない、なかなかに良い音楽です。
『トランペット協奏曲第1番』は、わりと正当クラシック音楽、という感じが強くありますのですが、だんだん乗って来るし、なんだか印象的なフレーズも出て来たり、かなり楽しい(まあ、これは多様な意味合いがありますけど)です。
これも、かなり前ですが、フィンランドの近現代の作曲家(シベ先生以外)をずらりと並べた、CDのシリーズが国内でも出ていたことがありまして、『ユッカ・リンコラの個展』と題された2枚組のCDも、その中にありました。
クラシックじゃない作品も入っていて、クロスオーバーのCDです。
『ブギ・ウギ・ワルツ』とか『マラリア』とか。
ここでは、どうやら、ご本人がピアノを弾いてるようです。
上手いです!
『エヴォエ!』は合唱音楽です。合唱曲になると、俄然フィンランドっぽくなるのは(言葉が入るから当然でもありますが)興味深いです。
なお、映画『雪の女王』の音楽も、神秘的でよいです。
そのCDには、『ローニャ』も、抜粋で入っておりました。
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