第12話 『交響曲』 A.M.オルベック

 オルベックさんは、1911年、オスロのお生まれ。


 ピアニスト兼作曲家として活躍しました。


 手元のCDは、1990年のもので、解説のデータでは、ご健在状態になって


おりますが、ネットで調べたところでは、1996年にお亡くなりになったようで


す。


 これは、1945年の作品ですが、大変に聞きやすい、ロマンティックな作品で


あり、また、なかなか豪快なところもあります。


 第一楽章の序奏部が、まず、とっても良いです。


 じゅわっときます。


 ここだけなら、『うつうつ』に入れたい気分ですが、主部に入ると、ややフラン


ス風の感じになります。


 うんうん、良い感じだなあ、なんかパリの風を感じるなあ・・・


 とか思っていたら、突然暗転・・・どき! びっくし。


 いかにもノルウェー風の、やや暗い雰囲気になります。


 第1楽章は、結局暗い方の雰囲気が主体のまま、しかし、大変かっこよよく、集


結します。


 なかなか、豪快です。


 第2楽章が、なんと美しい事!


 歌曲をお得意としていたということですが、さもあらん。


 よい、おうたなのです(歌詞はないけども)。


 第3楽章は、一転して、かなり民族舞曲風の雰囲気が入って来ますが、それもい


くらか控えめで、わりとあっさりしておりますので、かえって聴きやすいです。


 北欧地域は、『レアオン』で、いくらかご案内しましたが(と、偉そうには言え


ませんが・・・)あまり大っぴらには表に出てないけど、実によい作品が、山と詰


まっている地域であります。


 非常に歌心が高くて、日本人にも親しみやすい作品が多いのが特徴かと思いま


すのです・・・・はい。


 なお、この作品は、ノルウェーにおける女性作曲家が書いた『交響曲』、第1号


となった記念すべき作品でもあるそうです。


 ときに「女性作曲家」、とあえて書くことはあっても、「男性作曲家」とあえて


書くことは、どうやら聞いたことがない気がします。


 これは、先進ヨーロッパ社会でさえ、なかなか、女性作曲家に門戸を開かなかっ


た歴史の流れに、大きな原因があるのであろう、とも、思うのですが。


 

*CDは、ノルウェーのAURORAレーベルから出ておりました。                       









 




 











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