第10話 『エクソダス』 キラール
キラールさまは、映画『戦場のピアニスト』の音楽を担当していたことで、有名。
しかし、本来はクラシック系の作曲家でしょう。
有名なのは『クシェサニ』(1974年)。
純粋で、暴力的で、美しく、破壊的な、不思議な音楽。
冒頭から音さん同士がぶつかり合う、なんだか超大型加速器の中の状態みたい。
とっても不協和なのに、その実、非常にピュアな感じがするのが、なんとも聞いていても、いかにも不思議なところなんです。
現代的な音楽に、時に民族音楽が混じって(乱入?)してきたりする感じもあり。
こういうのは、アルボ・ペルトさまの音楽にも、ちょっと共通するするような感じもします。
しかし、やましんが一番気に入ってるのが、この『エクソダス(出エジプト記)』です。
音楽の形は、同じモティーフを、えんえんと繰り返しながら、巨大なクレッシェンドを掛けてゆく、『ボレロ』(ラヴェル様の超有名曲)様式です。
しかし、そのモティーフが、なんとも、シベリウス先生風なところがあって、これがまた、とってもいいのですなあ。
もうちょっと具体的には、ウーノ・クラミさまの『カレワラ組曲』のなかの『サンポの鋳造』にも、似た感じ。(作曲家の方には、「なんとかと似ている」と言われるのは、もう最高に嫌な事かとも、思いますが。)
やがて、鳴り物が入ってきたりすると、イッポリトフ=イワーノフ先生の『酋長の行進』みたいになってくるところも、なんとも興味深いですし、いかにも映画音楽風な感じがするところも、キラール先生らしいのかも。
長い管弦楽だけの演奏の後、お終いの方になって、合唱が入ってきます。
このあたりも、かなり映画風。
目の前に、超大画面で、『出エジプト』の様子が、展開されている感じです。
まるでまだ、生きていらっしゃるような感じの年代の方なのですが、2013年にお亡くなりになったとのこと。
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