第3話 『フルート協奏曲』 ニルセン
『レアオン』以来の登場。
バロック時代には、どかっと書かれたフルート音楽ですが、19世紀においては、あまり超名曲がみあたりません。(もちろんフルーティストにとって重要な作品はたくさんありますが・・・)
ところが、なぜか20世紀になると、俄然名曲が書かれるようになります。
この作品も、そのひとつで、1926年の完成。
これがまた、素人にはちょっと、なかなか手に負えない難技巧曲であります。
やましんも、かつて結構なお値段で楽譜を買ってはみたものの、一部には何とかなる場所もあるものの、とっくにあきらめて、今は観賞用の楽譜になっております。
1999年の日本フルートコンベンションのコンクールを聞いていたときに、さっそうと登場したのが、かの高木綾子さまでしたが、当時はまだ学生さんだったかもしれませんけれど、確か、やましんの記憶が間違っていなければ、この超難曲を軽々と吹いてしまわれたのには、大変感嘆しました。
かの、J.P.ランパルさまのCDでは、まあ、あまりにいとも簡単に吹いてしまうので、これならば、誰でもすぐに演奏できそうな気がするのは不思議です。
同じ、すごいプロの演奏家の方でも、「おおお~! すごい~!」と手に汗にぎり感嘆しきりになる、長嶋選手型の方と、あっさりと、しごく簡単なように演奏してしまうイチローさん型の方とがあります。(あ、これはスポーツ不感応症の、やましんの受ける感想なので、念の為。)
他に、オーレル・ニコレさま型の、なんか、ぶきっちょなような感じで始まるのに、どんな難曲も、結局のところ、けろっと演奏してしまう、魔法使いタイプの方もあります。
しかし、いま、改めて聞き直してみても、これがまた良い音楽なのですねぇ。
適度に現代的で、適度にロマンティックで。
ニルセン先生独特の、ブラックユーモアのようなところもあり、オケやオケ内のソロ楽器との複雑な絡み合いが抜群に面白かったり、突然ピュアで静かな、世にも美しい音楽になったり、最後まで聞き手を飽きさせません。
ニルセン先生は、あとヴァイオリンとクラリネットのための協奏曲も書いていますが、どちらも20世紀を代表する傑作です。
北欧のヴァイオリン協奏曲には、シベ先生の大傑作があるので、人気も含めた総合力では、どうしても次席になってしまいますが、音楽的には負けていません。
クラリネット協奏曲の方は、たぶん3つの中で一番現代的な音楽で、ニルセン先生の面目躍如たる傑作であります。
これらを聞かずに、人生済ますには、あまりに勿体ない音楽さんたちなので、機会をみつけて、ぜひどうぞ。
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