この気持ちに、正解を・・・

結城 愛梨

第1話 「綺麗なひとだなぁ」

「わぁ・・・綺麗な桜」


こんにちは、僕は富岡翔太です。今は、高校の入学式に向かっている最中です。


「しょうたー、早く行くぞー」

「待ってー、涼ちゃん」


涼ちゃんは僕の、親友です。あっ、本名は赤崎涼です。

涼ちゃんは、頭があまり良くないのに僕の行く高校に来れたのが、不思議です。

今、向かっている高校は県内でも有名な「白川高等学校」なんですよ。それなのに、涼ちゃんが受験に受かるなんて、誰もおもっていなかったんです。ホントびっくりですよ。たぶん理由は、―好きな人がいるから―。

だから、白川高校を受けたんだと思います。僕は、先生に勧められて受けたんですけどね。


「・・・うたー。・・おーい、しょうたー。」

「・・ん。なに、涼ちゃんどうかした?」

「高校。もう、着くけど。というか着いたけど。」


本当だ。もう着いていました。それにしても・・・校舎が大きいです。

迷わないかとても、心配になりますでも、それ以上に楽しみです。


「涼ちゃん、楽しみだね!」

「おう、楽しみだな!」


心配事も沢山あるけれど、涼ちゃんがいれば平気そうです。やっぱり、涼ちゃんがいると自然に笑顔になりますね。小さいころから涼ちゃんは憧れでした


「この学校にも桜、咲いてるよ。すっごく、綺麗。」

「そうだな。」


涼ちゃんは、桜とは、違う方向を見て話しています。何を見ているのかと思って、見てみると涼ちゃんの好きな人がいました。涼ちゃんは、きっとあの女の子のことを、綺麗だといったのでしょう。顔がにやけてます。


「涼ちゃん。話してきたら?」

「・・っ、大丈夫だ。」

「いいの?すごいカワイイこ・・・だけど・・・。」


桜の花びらが、舞っていて良くは見えなかったけれど、とても綺麗なひとを見ました。桜のように可憐で、華奢なひとを。


「綺麗なひとだなぁ」

「どのひと?あの、黒髪ロングのひと?」

「そう。あんな綺麗なひと、この高校にいるんだね。びっくりしちゃったよ。話してみたいなー」


腰まである黒髪はとても綺麗で、艶やかでした。癖一つ付いていないさらさらの髪に、僕は惹かれていました。見る人を惹き付けるような、とても綺麗なひと。


「翔太、あのひと知ってる?」

「ううん。知らないかな。初めて見た。」

「あのひと 宮野麗香 っていうんだって。」


宮野麗香さん。名前も、綺麗ですね。声も綺麗なのかな?話してみたい。あのひとを、知りたい。そんな感情が、芽生えました。涼ちゃんはどうなんでしょう?

あの女の子にも、思うのでしょうか?


「涼ちゃん。あのひとと、話してみたいので涼ちゃんも行こうよ。あの女の子もいるし。」

「えっ、まてまて。いきなりいくの?」

「そのつもりだけど・・・?」


僕は、おかしな事をいったでしょうか。まぁ、入学式までそう時間が無いので話すのは、今度にします。仕方ないですね。


「涼ちゃん、入学式がそろそろ始まりそうだよ。」

「あっ、忘れてたー。早く行かなきゃじゃん。」

「宮野さんたちは、大丈夫かな?僕、声かけてくるよ。涼ちゃんもいく?」

「いや。俺はいい。」


入学式まで、あまり時間がないですね。急いで行かないと、間に合いません。近くで見たら、もっと綺麗ですよね。きっと。そう思うと、自然と速足になりました。早く、声をかけなければ。


「あの、僕も一年生なんですけど・・・そろそろ、入学式始まると思いますよ。」

「あれ、もうそんな時間なんですか?教えてくれてありがとう。私は

宮野麗香 っていうの。あなたは?」

「僕は、富岡翔太 です。これからよろしくね。」

「はい。こちらこそ。」


宮野さんやっぱり、綺麗だし話し方がやさしかったです。涼ちゃんも来たら良かったのに。涼ちゃんの好きな 牧野さんもいたのに。あっ、 牧野夏奈 さんは

さっき女子が、話してたんですよ。しかも、涼ちゃんのことが好きかもって。良かったですね。涼ちゃん、今度は、一緒に話しにいきましょう。


「涼ちゃんー。間に合ったよー良かった。あとね、宮野さんとも話せたよ。」

「ホントに良かったな。」

「そうだ。あの子の名前、 牧野夏奈 さんだって。すっごく、明るくてカワイイひとだったよ。」

「ゴメン。さっき、友達にどんな子か聞いたよ。俺のタイプだった。いいなぁ、話せたんだ・・・」

「少しだけね。今度は涼ちゃんも、行こ!」


はぁ、友達もう出来たんだ・・・僕にも、ちゃんとできますかね。あぁ、不安になります。でも、先を越されたのは悔しいです。僕も、もっと頑張らなくては。主に友達づくりを。ゆくゆくは、宮野さんや牧野さんとも友達になりたいですね。


富岡翔太、高校生活を全力で楽しみます!」

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