アクシデント
千葉県の房総半島に生まれた俺は、剛と名付けられ、ごく普通の一般家庭に生まれた。
そして、その日は仕事が忙しく、あまり帰ってこれない父親が帰ってきた。
「つよしー、いい子にしてたか?」
「うん!」
実は俺、前世の記憶が鮮明に残っている。
本当は前世どおりの話をすることだって可能であるが、3歳児がそんなことしたら絶対誰もがびっくりするし、笑われるだけだから隠している。
「そうか!それは良かった!」
そう言うと父親はバッグから何かを取り出した。
「ほら、これ、欲しかったんだろ?」
それは、エ●ック・カールの本であった。
この手の本を全巻揃えたかったのだ。
俺は嬉しかった。
「よかったね、パパになんて言うの?」
「ありがとう!!」
だが、そんな時、誰もが予想しなかった事件が起こった。
ガチャ
「うん?...」
ドアが開く音がした。
「あなた、玄関の鍵、閉めたよね?」
そういえば、さっき玄関に行った時みたら空いてた気がする。
「ちょっと見てくるよ」
父親は、冷や汗を流し、唾を飲み込み、玄関の方に向かった。
グサッ!!
「グハッ...」
父親の苦しむ声が聞こえた。
「大丈夫、大丈夫...」
母親が俺を落ち着かせようと必死になってると、リビングに血のついた包丁を持った男が入ってきた。
「If you want life,you give money for me !」
強盗だ。
父親が玄関の鍵を閉め忘れたため、強盗が入ってきたのだった。
そして、その包丁についた血は、間違いなく父親のものだろう。
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