勝ちたい!
精子となった俺は、受精するために子宮内にまで来た。
あとは、卵子に入り、受精するだけだ。
俺らは、受精するために子宮に穴を掘り始めた。
頭を卵子の表面に当て、ドリルのようにして掘っていく。
そして、自分が入れるだけの穴を作れたらそこに潜り込む。
単純そうに見えるが、誰かに0.1秒でも先を越されたらもう完全にアウトだ。
卵子は受精した瞬間に表面が硬くなりどんなに足掻いても絶対に入れなくなる。
全員必死だ。
きっと、この作業は人間だったら、ほとんどの人が途中で嫌になるであろう。
増して、今の時代だから絶対に道具を使いたくなるはずだ。
俺はとにかく必死に掘り続けた。
何時間も、何日も...
周りの精子の中には、途中で力尽きてしまった者もいる。
この作業で力尽きるものは受精する資格などない。
そんな一種の試験みたいなものにも感じる。
そして、さらに日にちを重ねたある日。
シュン!
俺は見事に卵子に潜り込むことが出来た!!
俺は尾を捨て、受精に成功した!
俺は卵子と核融合すると、子宮に向かった。
ひとまずこれで安心だ。
さて、産まれてくるまでの約10ヶ月間、ゆっくりしようと
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